Interview
専門性を磨き事業成長をリード。
法務・知財で世界を舞台に活躍する
光利用技術と精密技術をベースに、BtoBとBtoC双方の領域で製品・ソリューションを提供する株式会社ニコンは、海外売上比率が80%を占めるグローバル企業です。ワールドワイドかつ多角的に展開する事業を、グループ横断で支えるのが法務・知的財産本部です。ニコンで法務・知的財産のプロフェッショナルとしてキャリアを磨く醍醐味とは何か。法務部および知的財産部の部長と、最前線で活躍するメンバーにお話を伺いました。
出典:ビズリーチ 公募ページ「株式会社ニコン」(2024年9月3日公開)より転載
#01
製品やビジネスへの深い理解のもと、
事業部に寄り添う法務
法務・知的財産本部 法務部 部長/三谷 佳子
はじめに、ニコンの法務部が担う役割や体制についてお聞かせください。
法務部はニコングループ全体の法的リスク管理を担う部署です。ニコンが展開する事業領域に対応する形で組織を構成しており、さまざまな契約のレビューや法律相談、紛争や訴訟対応、アライアンス対応などを担当しています。契約の種類は開発委託契約等を含めさまざまで、法律相談は新規ビジネスの立ち上げや、独占禁止法、消費者契約法などの規制法に関する相談が多いです。
他社の法務部と比較しての強みや独自性を教えてください。
特許を中心とする知財ライセンス契約や特許訴訟に、知的財産部だけでなく法務部も連携して対応していることが大きな特徴です。知的財産部と連携することで、法務と知財の双方の観点からもれなく検討しています。また工学部出身者や技術部門経験者など、理系のバックグラウンドを持つメンバーも数名所属しており、メーカーとして多様な法務体制があることが強みです。
ニコンでは会社法関連の法務やコンプライアンス、輸出管理などの業務は別組織が担っており、私たちは契約審査や法律相談、紛争対応、訴訟対応にフォーカスした高い専門性を有しています。
各事業部の製品やビジネスを深く理解したうえで業務に取り組む環境がある点も特徴です。例えば、ヘルスケア事業の新サービス展開においては、法務部がスキーム作りから積極的に関与し、事業部と一体となって短期間でのローンチを達成することができました。
数多くの海外案件で、
法務に関するグローバルな経験が積める
ニコンの法務部で働く魅力や、業務を通して得られる経験・スキルについてお聞かせください。
知的財産部と連携して知財関連の業務に取り組めるのは、ニコンの法務部ならではの醍醐味です。必要に応じて、出張して海外の特許訴訟に参加するなど、他社ではなかなかできない経験の機会があると思います。
また、事業部に対応する組織体制であることから、事業部のメンバーと人間関係が構築しやすく、お互いに相談しやすい環境になっています。出資やアライアンスに関する全社的なプロジェクトも多いため、財務・経理や人事、ITなど、事業部以外の部署とも連携する機会があります。
当社はグローバル展開をしているので、海外案件が多いことも特徴です。例えば海外の販売子会社が扱っている製品であっても、企画や製造を日本で行っている場合は、ニコンの法務部が対応を行う場合があります。英文契約書作成や英語のスキルが磨かれる環境があります。
ニコンの法務部にはどのような方がフィットするでしょうか。
法務の業務そのものだけではなく、ニコンの製品やビジネスに関心がある方はフィットしやすいと思います。また、ニコンは新規ビジネスにも盛んに挑戦しており、会社全体で未経験の領域に携わることもあります。このため、変化に柔軟に対応できる方は特に活躍できるはずです。
出身業界に関しては、上記の方であれば、あまり業界は限られないと思いますが、メーカー出身の方が比較的なじみやすいと思います。私もメーカーの法務出身なのですが、ニコンで扱う契約と前職で見てきた契約の種類が似ていたため、想定よりもスムーズに実務に慣れることができました。
新しく入られた方には、チームメンバーによるOJTを通じて知識やスキルを習得いただきます。慣れるまでは複数名で案件を担当するなど、手厚くサポートする体制が整っていますのでご安心ください。
#02
プロアクティブに、
特許で事業の競争優位性を確保
法務・知的財産本部 知的財産部 部長/川口 透
ニコンの知的財産部が担う役割や体制についてお聞かせください。
ニコングループ全体の知的財産に関する課題に取り組み、事業の競争優位性や安全性を確保するのが知的財産部の使命と考えています。新しく創出される技術について特許を取得したり、潜在的な知財課題を探索し対処したりすることにより、継続的に知財面からリスクマネジメントすることが重要な役割となります。
知的財産部も法務部と同様、ニコンの各事業領域に対応する組織体制としています。なお、ニコンの知的財産部の業務は特許に軸足を置いており、意匠や商標は法務・知的財産本部の他部門で対応しています。
ニコンの知的財産部の強みや独自性はどのような点でしょうか。
事業の競争優位性や安全性の確保に向けた知財戦略をしっかりと作り込む点です。会社によっては、技術者から「こんな発明ができた」という話をきっかけに特許出願に向けて動き出すと聞きますが、事業競争力に不可欠な特許を取得するためには、事業戦略の上流から理解したうえで、知財戦略に落とし込む必要があります。
その点ニコンでは、知的財産部が事業部と密に連携できる体制が整っています。技術者からの提案を待たずに率先して情報をとりに行くだけではなく、その情報に基づいて知的財産部から「こういう観点で特許創出しましょう」という積極的な働きかけをします。パッシブではなくプロアクティブに、事業部と一体となってあるべき知財を目指していく「攻めの知財」としての姿勢が私たちの強みです。
また、知的財産部はコーポレート部門に配置されており、海外子会社を含めたニコングループ全体の知財課題に対処する立場にあります。一つの事業に対してだけ有効な特許ではなく、他事業にも広く活用できる特許を取得するなど、常に俯瞰した視点で取り組む姿勢もニコンの知的財産部らしさだと思います。
最先端の技術を扱う企業で、
知財戦略に触れる
ニコンの知的財産部で働く魅力や、業務を通して得られる経験・スキルについてお聞かせください。
BtoBからBtoCまで幅広い事業領域の特許業務を経験でき、特許創出のみならず多岐にわたる知財戦略の策定・実行に関われる環境は大きな魅力だと思います。扱う技術も最先端のものばかりです。事業競争力への貢献を実感でき、高いモチベーションを持って取り組んでいただけます。
当社はグローバル展開をしているため、知的財産部の活動の幅もワールドワイドに広がっています。各国の法体系に合わせた対応をするために、現地の弁護士とディスカッションするなど、英語でのコミュニケーション機会も多くあります。
私はかつて、オランダとドイツで特許訴訟案件を担当したことがあります。とてもハードな仕事でしたが、最終的に当社主要事業の業績向上につながったことから、大きな達成感を得られました。自身の業務が事業に貢献していることを実感しながら経験を積んでいただけます。
ニコンの知的財産部ではどのような人が活躍できそうでしょうか。
最も大切なのは、事業と知的財産、両方の視点を持ち合わせていることです。その点でメーカー出身の方は、「事業のための知財」という認識を持って活動されてきたと思うので、ニコンでも即戦力として活躍いただけると期待しています。実際、当社の知的財産部は、他社メーカーから転職されてきた方が多く在籍しています。
今後もニコンは海外での存在感を高め続け、知的財産部が世界で活躍する機会も広がり続けます。グローバルなキャリアを形成したい方に当社はうってつけの環境だといえます。
#03
海外M&A案件の知財業務を推進し、
グローバルな経験を積む
法務・知的財産本部 知的財産部 第二課 課長代理/古田 祐介
古田さんは2009年に新卒入社後、知的財産部で活躍されています。現在の仕事内容について伺えますか。
私は主に、金属3Dプリンターやロボットビジョンなどの製造・販売を手掛けている「デジタルマニュファクチャリング事業」に向けた知財戦略の立案、特許出願・権利化、知財リスクマネジメントなどの業務に携わっています。この事業は多くの開発プロジェクトがスピード感を持って進められており、知財担当者も同じスピード感で伴走し多数の出願権利化を行っています。出願案件ごとに適切なクオリティを見定めたうえでコストとデリバリーのバランスをとって進めることを心掛けています。
近年は事業戦略としてM&Aが活発化しており、買収前に対象企業の価値およびリスク評価を行うDD(Due Diligence)、買収後の企業統合プロセスとしてのPMI(Post Merger Integration)に知財面から関わる機会が増えています。PMI後には、対象企業の知財部門と連携して特許出願に取り組んでいます。
特に印象に残っているプロジェクトはありますか。
最近では、ニコンが2023年にSLM Solutions Group AGというドイツの金属3Dプリンターメーカーを買収した際に、PMIとして両社で知財の連携体制を構築したプロジェクトが強く印象に残っています。
日本とドイツとのコミュニケーション文化の違いに直面し、当初は相手の考えや思いを理解することに苦労しましたが、粘り強く対話を重ねることによって相互理解を深めることができました。また、SLM社とニコンの知財文化の違いを乗り越えるため、相手の文化に対し最大限の敬意を示しつつ双方が納得できる形で連携体制を構築することを心掛けました。
その後、SLM社とニコンが共同出願を行う際に、SLM社側から積極的に発明提案してもらうなど、一体感を持って出願業務に取り組めたことは非常にうれしかったです。さまざまな文化の違いを乗り越え、デジタルマニュファクチャリング事業への貢献を実感できたプロジェクトでした。
複数の事業領域や最新技術に触れ、
専門性を磨ける環境
ニコンでどのような成長ができていると感じますか。また今後どのようなキャリアを描いていきたいですか。
私は入社以来、知財部門のなかで合計4つの事業領域の特許出願権利化に携わってきました。ジョブローテーションを通じて多岐にわたる技術分野の出願業務を経験したことにより、どのような技術の特許出願にも対応できる力と自信が養われたと感じています。
また、訴訟経験が豊富な先輩社員から、特許を有効に活用するためのクレイム・明細書の作成ノウハウなどについて日々フィーバックを受けてきたことで、自身の特許出願スキルが洗練されたと実感しています。
今後は、より一層グローバルに活躍できる知財業務に携わっていきたいです。また、これまでの経験やスキルを生かし、事業部にとって必要不可欠なパートナーとして頼られる知財部門のマネジメントとしてチームビルディングなどにもチャレンジしていきたいです。
最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いいたします。
ニコンは経営層から一般社員まで知財の重要性に対する理解が深く、知財部門の上下関係だけでなく部門を超えて横断的に知財に関してコミュニケーションがとりやすい会社です。またスーパーフレックスや在宅勤務などの働きやすさを向上させる制度も整っています。私には幼い子どもがいるのですが、急な体調不良の際もフレキシブルに業務時間の調整や休暇の取得ができるので助かっています。さらに夏休みが7月下旬とお盆の二回あるので、しっかりとリフレッシュできます。
また、海外の弁護士事務所にトレーニーとして研修に行くことや海外子会社の知財部門に駐在する機会などもあります。国内外を問わず、さまざまな経験を積んで「知財人」としてキャリアアップしていける環境が整っており、仕事を通じて自己実現したいという方にこそニコンを選んでいただきたいと思います。
※社員の所属やインタビュー内容は取材当時のものです
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