Nikon’s Challenge #4
人とロボットの距離を縮める。
ものづくりの未来が近づく。
ロボットを人の隣へ:ヒト協調ロボット
人と同じ空間で作業できる
ヒト協働ロボット
人のそばにいても安全で、動作を教えやすい。 高い動体視力を持ち、生きもののように自律して動く。 ニコンが開発するロボットシステムが、 ものづくりを変えていく。
ものづくりの課題に、
ヒト協働ロボットという答え。
世界初の産業用ロボットは、1961年ごろにアメリカで導入されたといわれています。それから60年あまり。ロボットはいまや、ものづくりになくてはならない存在です。しかし「人間との協働」という観点でみると、まだまだ進化の余地があるのかもしれません。実際の現場をのぞいてみると、人間とロボットのスペースは明確に区切られていることがほとんど。安全を保つためとはいえ、まだまだ距離がある存在なのです。
ものづくりの現場はいま、労働力不足や多品種少量生産への対応といった課題に直面しています。その解決策として期待されているのが「ヒト協働ロボット」。人と同じ空間で、組み立て作業などを一緒に行えるロボットのことです。ニコンもこの「ヒト協働ロボット」の分野でさまざまな挑戦を重ねており、その成果が少しずつ形になり始めています。
機能もデザインも、
人にやさしく。
成果のひとつが「C3 eMotion」。ヒト協働ロボットに必要な機能を有したアクチュエータユニットです。ロボットに必要な機能がセットになって詰め込まれているので、複数のC3 eMotion(Connect[接続]、Control[制御]、Cooperate[協働])を組み合わせれば、誰でも自由な発想でロボットがつくれます。最大の特徴は「エンコーダ」が2か所に組み込まれていること。エンコーダとはロボット関節の回転角度を検知するセンサで、ニコンのC3 eMotionを使えばロボットが何かに接触したことをすばやく検知して動作を止めたり、あらかじめロボットへ動作の手本を教示(ティーチング)することで動きを覚えさせたりすることができます。そばにいても安全でロボットと共創する社会へ。人とロボットの距離を縮めるための思いがC3 eMotionには詰め込まれています。
ものづくりの進化は、
ロボットの進化。
もうひとつご紹介したいものがあります。ロボットビジョンシステム。その名の通り、高度な「視覚」を備えたロボットです。画像認識力は最大350fps。つまり、1秒間に350枚もの画像を認識。ごく小さな対象物や、たとえば「同じように黒く光る金属と樹脂の複合部品」なども見分けることが可能。このシステムをセットされたロボットアームは、認識したものを敏捷に追いかけたり、状況に合わせてフレキシブルに動きを変えたりできます。まるで生きているかのような自律性の高さから、ロボットのティーチング作業や調整の手間を大幅に軽減。設置場所を自由に動かせる点も魅力です。
ものづくりの進化は、ロボットの進化。ヒト協働ロボットは、世界のものづくりを普遍的に変えていく可能性を秘めています。未来のニコンはこれまで以上に、「ロボットの会社」としての存在感を増していくのかもしれません。