Interview
「マーケットイン」で世界へ。
ニコンのBtoBビジネスの一翼を担う
1917年の創立以来、「光利用技術」と「精密技術」の可能性に挑み続けながら、高品質な製品を世界に送り出してきた株式会社ニコン。同社のインダストリアルソリューションズ事業部は、光学部品/光学コンポーネントから産業機器製品まで幅広い製品やサービスをグローバルに展開しており、技術力はBtoB領域でも高く評価されています。2024年4月に組織統合を経て勢いを増すニコンのBtoB事業の魅力や展望、描けるキャリアについて、事業部長の牧良浩氏にお話を伺いました。
出典:ビズリーチ 公募ページ「株式会社ニコン」(2024年8月29日公開)より転載
技術力と販売力を携え、
ワールドワイドでBtoB領域を拡大
常務執行役員 インダストリアルソリューションズ事業部長/牧 良浩
はじめに、インダストリアルソリューションズ事業部(以下、IDS事業部)の事業概要について教えてください。
IDS事業部は、顕微鏡や測定機などの装置を扱う「産業機器事業部」と、様々な製造装置に組み込まれる部品やユニットといったコンポーネントを中心に扱う「デジタルソリューションズ事業部」が統合されて、2024年4月に新しく設立された事業部です。
扱う製品は、顕微鏡や測定機の他にも、生産ラインなどで使われるマシンビジョンカメラや、光学部品や光学コンポーネント、さらにはロボットの動きの制御に欠かせないエンコーダ、X線/CT検査装置など多岐にわたります。この他、双眼鏡やレーザー距離計などBtoC向け製品も一部取り扱っています。
コンポーネント事業は、お客様のご利用されるアプリケーションに合わせて光学部品を提供することもあれば、お客様の装置に組み込む光学コンポーネントの設計コンサルティングや試作、量産などソリューションをオーダーメイドで提供することもあります。こうした支援ができるのも、100余年にわたり光学機器の開発や製造を行ってきたことによる光学技術やノウハウの蓄積があるからです。
IDS事業部を取り巻く市況感と、ニコンの位置づけはいかがでしょうか。
IDS事業部では多様な製品を扱っていますが、半導体製造装置などに使われる光学コンポーネントについて言えば、半導体市場の好不況の影響を受けるものの、長期的にはニーズが増していくと考えています。
半導体の微細化が進むなかでは、装置に搭載する光学部品に要求されるレベルも高まっており、対応できるプレーヤーがどんどん限られているのが実情です。しかし、ニコンはいわゆる前工程で使われる半導体露光装置メーカーとして培った技術を生かして、それ以外の工程で使われる装置に向け高性能なコンポーネントを提供できることがお客様から高く評価されています。PCやスマートフォンが素早く動くのも、ゲームのグラフィックが美しいのも、半導体が進化を遂げてきたおかげですが、ニコンのコンポーネントはそうした半導体の製造や検査を支える形で社会に貢献しています。
産業用ロボットの市場が広がるなかで、ロボットの正確な動作をサポートする「エンコーダ」のニーズも増しています。光学技術や超精密技術、高密度実装技術などを結集したニコンのエンコーダは、業界トップクラスのシェアを獲得しています。
産業分野の顕微鏡やX線/CT検査装置は、数多くのプレーヤーがいるなかでプレゼンスを示すために、世界の市場に対して効率的な営業活動を行い、収益性を高めることを目指しています。
「マーケットイン」の姿勢で、
グローバル市場を開拓する
2つの事業部の統合を経て、どのような取り組みに注力していますか。
現在は、統合した2つの事業部のノウハウやアセットを生かした、販売強化に注力しています。
これまで、デジタルソリューションズ事業部では国内外問わず顧客に対して直接の営業販売体制をとってきました。一方、産業機器事業部では世界中の販売会社と連携した営業活動を行ってきました。それぞれの体制のメリットを生かしながら効率的な営業活動をワールドワイドに行います。
IDS事業部の今後の展望を教えてください。
ニコンでは、2030年のありたい姿として「人と機械が共創する社会の中心企業」を掲げており、IDS事業部で手掛けている製品やサービスは「機械」のコアを担う役割です。製造現場や製造機器を支える、「ニコンの製品がなければ、ものづくりができない」と言われる存在を目指しています。
高性能かつ技術的に独自性を持つ製品を提供するために私たちが大切にしたいのは、お客様の声を製品開発に生かす「マーケットイン」の姿勢です。お客様とコミュニケーションをとる機会が多い営業部門だけではなく、製造開発や管理部門に携わるメンバーも含めた全員が「お客様視点でものを考える組織」であり続けたいと考えています。
社内屈指の多様性豊かな事業部ゆえ、
異動や新たな業務も柔軟
IDS事業部で働く魅力は、どういった点でしょうか。
IDS事業部では「マーケットイン」を大切にしており、お客様と会話しビジネスの種を見つけて、新しい挑戦がしやすい環境が魅力です。加えて、IDS事業部では既存事業の売り上げ拡大とあわせて新規事業開発もミッションとしていますので、ニコンの技術力や事業を組み合わせて新たなビジネスを創出したい方には最適だと思います。
もう一つの魅力は、IDS事業部には多様なキャリアを持った専門人材が集まっている点です。
IDS事業部は複数の事業を集約しながら組織が大きくなっています。そのため、カメラや双眼鏡などの開発や製造に携わっていたメンバーや半導体装置事業に携わっていたメンバーなど多様な経歴を持つ仲間が集まっています。事業部内では多数のプロジェクトに取り組んでいますので、専門性を持ったメンバーとともに挑戦しやすい点も魅力です。
これから入社される方は、グローバルな仕事に携われる機会も多いのでしょうか。
海外にある製造拠点や販売会社の経営や運営のサポートを行っているので、海外とのやり取りは日常的に発生します。海外出張や海外駐在のチャンスもあります。20代、30代のメンバーが多く活躍中です。海外での業務経験は今後のキャリアにプラスになると思いますので、グローバル志向のある方にはぜひ挑戦していただきたいです。
ニコン全体の海外売上比率は8割、IDS事業部の海外売上比率は7割を超えているので、海外のお客様も多くいます。採用時に明確な基準は設けていませんが、コミュニケーションの手段として英語力を高めていきたい方は、ニコンで活躍の幅が広がるでしょう。
「ニコンに染まらずに」経験を発揮して、
キャリアの幅を広げる
IDS事業部では、どのようなキャリア形成が可能でしょうか。
IDS事業部は手掛ける製品やプロジェクトの幅が広いため、事業部内での異動や新プロジェクトへの参画がスムーズに調整できる環境です。
ポジションの抜てきやプロジェクトへのアサインでは、個人のキャリア志向や挑戦したい意志を尊重しています。以前、ある部長から「メンバーのAさんの趣味が鳥の観察で、双眼鏡に興味があるそうです」と聞いたため、「双眼鏡の新製品のロードマップを策定するプロジェクトに参画してもらってはどうか」と提案したケースもありました。
「自分の経験を生かせる〇〇領域に行きたい」や「次は〇〇に挑戦したい」といった希望を明確に伝えてもらうことで、描いたキャリアを実現しやすいと思います。
また、年齢や性別、国籍に関係なく各自が活躍しており、若いメンバーが重要な役割を担っている事業部であることもお伝えしたいと思います。
幅広いポジションで採用強化されていると伺っています。入社される方には、どのような役割や活躍を期待しますか。
ニコン以外の外部環境を知っていたり、ニコンにはない貴重な経験を持っていたりすることが、キャリア入社者の強みだと考えています。
ニコンに染まらずに、これまでの経験を存分に生かし、新しい提案をしていただきたいです。そして、キャリア入社者の経験とニコンでキャリアを積んできたメンバーの経験を掛け合わせて、「IDS事業部らしさ」をつくり出していただくことを期待しています。とはいえ、入社後は仕事に慣れることが第一でしょうし、遠慮してしまって言いづらい部分もあると考えています。そのため直近では、キャリア入社者の方だけを集めた座談会を設けて、横のつながりをつくれるような取り組みを実施しました。今後もキャリア入社や新卒入社の社員にかかわらず、メンバー全員が意見の言いやすい風通しの良い組織づくりのための試みを行っていく予定です。
「人と機械が共創する社会」の中心企業を目指しグローバルに事業を広げるニコンで、ともに新しい挑戦をしませんか。ぜひ応募をお待ちしています。
※社員の所属やインタビュー内容は取材当時のものです
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