Interview

ライフサイエンスから始まる
ニコンの「次世代」を、
自ら創造し、リードする。

ヘルスケア事業部 技術統括部 設計部 第一設計課
2019年入社
大学院理工学研究科 精密機械工学専攻

現在の仕事

超解像顕微鏡の機械設計・新技術導入検討

Profile

入社動機

学生時代の研究テーマは「中枢神経系の再生医療デバイス開発」。それがきっかけで、ライフサイエンス分野に貢献できる仕事がしたいと考えました。ニコンのヘルスケア事業は私の研究と地続きだったうえ、たとえば構造化照明法で光学顕微鏡の限界を突破したように、先進技術によって新しい価値を生み出している。その土壌も魅力的でした。

異動歴 ※名称は当時のものです

2019年4月:ヘルスケア事業部 技術統括部 設計部 第一設計課

One Day

9:00 出社、メールチェック・予定確認
9:30 資料作成(打ち合わせ資料や仕様書など)
10:00 新技術導入検討チーム定例
12:00 同期と食堂で昼食
13:00 モデル・図面作成
15:00 取引先と打ち合わせ
17:00 超解像顕微鏡の実機検証
19:00 退勤

新たな設計・製造技術の可能性。
ボトムアップ提案のプロジェクト化。

担当している業務を教えてください。

大きく2つあります。ひとつは、超解像顕微鏡の機械設計。超解像顕微鏡とは、光学顕微鏡の限界をはるかに上回る解像度で生命現象を観察できるシステムのことです。私が担当しているのは、構造化照明法でその限界を超えた「N-SIM」と、STORM法を採用した「N-STORM」の2シリーズ。業務の多くは、製品の改善について各所から相談を受けることから始まります。その内容を精査し、設計によってどう改善できるかを検討し、必要に応じて試作。基準を満たす画像が得られることを確認したうえで、3Dモデルや図面を起こして形にします。技術的な面白さはもちろん、間接的ではありますが、医療の発展に貢献する意義も感じられる業務です。そしてもうひとつが、私自身も立ち上げから参加した、新技術導入検討プロジェクトです。

新技術導入検討プロジェクトとは?

航空宇宙分野などで活用が進む技術を導入し、製品のQCD(品質・コスト・納期)を向上させる新たな設計・製造技術に取り組んでいます。まずは顕微鏡が対象ですが、いずれはニコンのさまざまな領域に展開できる可能性もあります。個人的な興味でその技術を追いかけていた私と、同じく可能性を感じていた先輩が力を合わせて始めました。試作だけではなく量産にまで取り入れようと意気込んだのですが、ネックはコスト。いかに技術ノウハウを獲得しつつ、ビジネスとしても成立させるか、何度も議論を重ね戦略を立案しました。スピード感のある技術ノウハウの蓄積のために自分たちで装置を保有し、即時試作によって大幅なリードタイム短縮効果も狙えると考えました。そこで得られた技術ノウハウを基に、コスト効果を出しつつ、量産性を兼ね備えた新たな設計プロセスを構築し、量産適用を目指す計画を立てました。その計画を事業部長にボトムアップで提案し承認をいただき、正式にプロジェクトとしてスタートしました。

製品のQCDを向上させる、
次世代の設計プロセス構築。

新技術導入検討プロジェクトに、どんな手応えを感じていますか。

私は今、新技術に適した設計プロセスの検討に挑んでいます。「品質とコストの8割は、設計で決まる」といわれます。設計に基づいて原価構成が決まり、設備や材料、部品が決まる。その設計に誤りがあればすべてが崩れてしまううえ、不具合の原因にもなる。新技術の設計においても、それはもちろん同じです。だからこそ、最適な「設計解」にたどりつくためにとことんアイデアを追いかけ、分野も会社の垣根も超えた会話を重ねる。そんな試行錯誤の日々は、苦労も多い一方でとても刺激的です。業界内のリーディングカンパニーと、大きなシナジーを予感しながらディスカッションをしているとわくわくします。私の就活中の自己PRは「主体性がある」「周囲を巻き込める」。学生時代からは考えられないほど多様な人々と新技術導入検討に打ち込む中で、その長所はさらに伸びている気がします。

チームリーダー就任。
その矢先の製品トラブル。

今の自分につながる、思い出深いエピソードを教えてください。

超解像顕微鏡「N-SIM」のチームリーダーになった時のことです。先輩の異動をきっかけにした、まだまだ知識に不安がある中での就任。その矢先、「N-SIM」が出荷検査を通過できないトラブルが発生したという連絡が入りました。大急ぎで開発チームをはじめとする関係者を集め、トラブルの原因推定に取り掛かりました。その結果、組立作業での可能性が考えられたため、私自身もすぐ組立の現場に走り、実機で現象を確認。現場の組立作業者と協力し、どうにか原因を突き止め、解決に至ることができました。しっかりと連携すること。現場で、この目で検証すること。それが結果につながったことで自信が生まれ、業務に向き合うスタンスが形づくられたと振り返っています。

私の2030年のありたい姿

新技術を極め、業界をリードしていけるような技術者になりたいと考えています。そのためにも、まずは検討中の設計プロセスを確実に構築したい。社内外を問わない連携を重ねてノウハウを蓄積し、その目標を実現しようと思います。いずれはヘルスケア事業を超えてこの新技術をニコン全体の製品に適用し、新たなソリューションを提供していけたらうれしいですね。このようにニコンは、革新的な技術を駆使した製品開発に挑める会社です。そこに魅力を感じる方と一緒に、未来を切り拓いていくことができたら。そう願っています。

HOLIDAY

休日は友達や同期と出かけることが多いです。刺激的なこと、リラックスできることの両方が好きなので、スカイダイビングやバンジー、温泉巡りなどをアクティブに楽しんでします。写真は長野でテントサウナした時のもの。大自然に囲まれて、最高に整いました。

Movie

動画でも見る

※社員の所属やインタビュー内容は取材当時のものです