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尾野 里穂
Interview
サイエンスの未来を見据え、
ニコンの技術力で
見えないものを可視化する。
尾野 里穂
Riho Ono
ヘルスケア事業部技術統括部システム開発部第一開発課
2020年入社
医学系研究科バイオメディカルサイエンス専攻
現在の仕事
ライフサイエンス顕微鏡システムのソリューション開発
Profile
Riho Ono
入社動機
きっかけは学生時代、研究室でニコンの顕微鏡を使っていたこと。「ありかも」と軽い気持ちでインターンシップに参加したところ、私のようなバイオ出身者でも活躍でき、多様な分野の人たちと一緒に仕事ができることを知って入社を決めました。
異動歴 ※名称は当時のものです
2020年4月:ヘルスケア事業部 技術統括部 システム開発部 第一開発課
One Day
09:00 出社、メールチェックや事務処理など
10:00 進捗中のプロジェクトの課内相談(Web会議)
12:00 昼食
13:00 試作開発プロジェクトの定例打ち合わせ(Web会議)
15:00 実験や解析、情報収集のため調べもの
17:00 資料作成、明日の打ち合わせの準備
19:00 退社
未知の世界への扉を開く、
多光子励起顕微鏡の開発。
担当されている多光子励起顕微鏡はどのような製品なのでしょうか。
脳の神経細胞などを生きたまま観察できる生物顕微鏡で、生命科学や医学など最先端の研究で使われています。他の顕微鏡と違って、生体透過性が高い近赤外レーザーという特殊な光源を使用します。生体組織の非常に深い領域まで観察できるところが一番の特徴です。ニコンの多光子励起顕微鏡は、画期的なイメージング法と高度な光学技術を組み合わせてリニューアルし、前機種と比べて視野の広さ1.5倍、解像度4倍に向上しました。また、視野の広さや高解像度を維持したまま、超高速イメージングも実現。未知の世界への扉を開く、生きたままのリアルタイム観察を可能にしています。私は学生時代、バイオメディカルサイエンスを専攻し、実際にニコンの多光子励起顕微鏡を使っていました。現在、その経験を活かし、多光子励起顕微鏡の開発に携わっています。
具体的にどのような仕事なのか教えてください。
お客様のニーズを探り、それを新しい顕微鏡の仕様に落とし込む仕事をしています。お客様と設計者の橋渡し的な役割ですね。具体的な流れとしては、まずユーザーである生命科学や医学分野の研究者に会って情報収集します。大学などに足を運ぶばかりでなく、関連する学会に参加することもあり、時には海外への出張も。次にこうして集めた情報をもとに、設計者と相談しながら顕微鏡の仕様をまとめていきます。さらに設計ばかりでなく、試作などのステップにも深く関わっています。顕微鏡の動作や性能を確認するために、実際に研究者が観察するサンプルを使って実験をすることもあります。こんなシーンでも、学生時代に培ったバイオメディカルの経験が活きてくるのです。情報分析などのデスクワーク、技術者とのディスカッション、実験、そして国内外の出張……。光学技術と生命科学が出会う最先端の領域で、盛りだくさんの経験を積んでいます。
こんな最先端の試作機、
「若手が実験していいの!?」
印象に残っているプロジェクトはありますか。
今まさに進行中のプロジェクトです。これまではまだ経験が浅いこともあり、プロジェクトは途中からサポート的に参加することが多かったのです。でも、このプロジェクトは立ち上げの頃から携わり、それだけに思い入れも深い。また、テーマもチャレンジング。現在の製品では実現できない生命現象の可視化を目指して、世界最先端の顕微鏡を試作開発しています。実験室にさまざまな光学機器を運び込み、大がかりな顕微鏡システムを組み立てて、実験を重ねています。私など20代の若手メンバーが実験に参加したり、結果報告することも。「こんな最先端の試作機を若手が触っていいの!?」と気後れすることもありますが、先輩社員に指導いただきながら取り組んでいます。試行錯誤しながら実験を重ね、ようやく目的の画像が映し出された時はじわじわ感動が湧き上がってきました。
気持ちが昂ぶるのは、
見えないものを可視化した瞬間。
今の仕事での難しさとやりがいを教えてください。
先ほど「研究者と設計者の橋渡し」という話をしましたが、その橋渡しをスムーズにするための言葉の“翻訳”が難しいですね。たとえば光学系の専門用語など、ニコンの設計者が普段話す言葉をそのまま生命科学の研究者に伝えてもほとんど意味が通じないわけです。逆に研究者の話には感覚的な表現も多く、それを数値化して仕様に落とし込んでいかなければなりません。また、単に情報を収集するだけではなく、将来の技術の動きなども見据えながら、そこから真のニーズを発掘していかなければならないことも難しさの一つですね。一方、顕微鏡開発のやりがいといえば、やはり見えないものを可視化すること。実験で苦労を重ねた末に、見えなかった画像が映し出された瞬間は気持ちが昂ぶります。もちろん、それはユーザーである研究者の方たちにとっても同じはず。私たちの顕微鏡で観察した鮮明な画像が学会で発表されたり、製品を高く評価する言葉を耳にすると、どんな苦労も吹き飛んで嬉しいですね。
私の2030年のありたい姿
2030年というと、私も30代半ばという年頃。現在、私が開発に携わっている顕微鏡の多くが製品化され、研究の最前線で活躍している頃だと思います。そのことを想像すると、まず顕微鏡の開発者としての蓄積をさらに深めていきたいですね。入社4年目となり、自分なりに自信を持ってこなせる仕事も増えてきましたが、2030年を見据えると、まだまだ学ぶべきことは数多いと実感します。また、現在は先輩から業務を任されることが多いですが、今後は私から後輩たちに任せることも増えてくるはず。後輩の育成も大切な役割になると思います。最後にもう一つ目標をあげるとするならば、プロジェクトをハンドリングできるようなリーダーシップ。先輩たちからも学びながら、一歩ずつ経験値を高めていこうと思っています。
オフの過ごし方
Off Shot!
私は兵庫・西宮の出身。実はニコンに入社するまで、ほとんど関東に来たことはなかったのです。そこでオフの日は定番の観光地を巡ったり、カフェでのんびりしたり、関東ライフを満喫。写真は、横浜・日産スタジアムでのライブ。屋外ライブは初めてで、最高でした!
※社員の所属やインタビュー内容は取材当時のものです