手ブレ補正

技術概要

カメラなどで撮影する際に手ブレによる撮像への影響を補正することによりクリアでシャープな画像を得ることができます。特に、手ブレの影響が出やすい夜景や屋内等の暗いシーンや、望遠レンズで効果を発揮し、手持ち撮影の幅が広がります。

光学的なブレ補正の原理は、レンズやイメージセンサを物理的に動かすことで手ブレを補正するものです。カメラの動き(ブレ)はジャイロセンサーや加速度センサー等でリアルタイムに検知し、検知された動き(ブレ)を打ち消すようにレンズやイメージセンサーを動かすことで、手ブレによる画像のブレを効果的に軽減します。

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手ブレ補正のイメージ

カメラでの様々な撮影においてシャープな画像を得るために、用いるレンズの特性や撮影シーンに最適な補正が必要になります。補正範囲が大きくなる望遠レンズの使用時では、レンズおよびカメラ内の双方で補正で対応します。シャッターを押す瞬間の短い間に、ブレを検知して光学系やイメージセンサーを素早く調整する必要があります。

技術の適用事例

カメラ

Z6IIIの手ブレ補正機構(VR)は、8.0段の補正効果で優れたパフォーマンスを発揮します。暗いシーンでの手持ち撮影の幅を拡げ、より低速のシャッタースピードを使った創造的な表現も可能です。また、カメラボディー内のセンサーシフト方式VRとレンズ内のレンズシフト方式VRの連動(シンクロVR)により、より高い補正効果を発揮します。
さらに、プロフェッショナルフォトグラファーから高く評価されている[SPORT]モードも搭載。ファインダー像で適度なブレ補正効果が安定して得られるため、止まったり動きだしたり動きの変化が激しい被写体を追いやすく、また、動きの速い被写体の流し撮りもしやすいので、意図した構図で容易に捉えられます。

ミラーレスカメラZ6Ⅲ
暗いシーンでの撮影事例

関連技術

外乱抑制・環境制御

装置に対する外乱の抑制、例えば振動による装置の動作への影響を低減することにより、装置を設計通りに動かすことができます。温度や湿度、ガスなどの装置内環境の制御は、材料の安定した合成や高精度な計測を可能にします。

露光装置などの高精度に制御する必要がある装置では、光が通る媒質の屈折率は設計通りであることが必要です。光が通る媒質である空気や硝材は温度や湿度によって屈折率が変化するため、装置内においてこれらを計測し、空間的および時間的に一定になるように制御することが求められます。空気中のチリやほこりの除去や高出力レーザーによりレンズに付着してしまう化学物質が発生しないようにすることも必要となります。
これ以外にも、細胞受託生産や培養観察装置では細胞が培養できるような温度・湿度の制御、ガラスの製造や成膜など生産工程では温度や湿度、雰囲気の制御が必要になります。

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石英ガラスの製造(スート法)におけるガスや温度の制御

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