深層学習

技術概要

人工知能(AI)に含まれる深層学習は、大量のデータから学習して得たモデルに基づき、画像や音声の認識や自然言語の処理などを特定の条件において大量に処理することができます。

機械学習の一種であり、特に多層のニューラルネットワークを使用してデータの特徴を自動的に抽出し、学習する手法です。ニューラルネットワークは人間の脳の神経細胞(ニューロン)の働きを模倣したモデルで、一般に入力層、データを処理する層、出力層からなり、データを処理する層は多層になっており、人間のような複雑な処理が可能になるよう工夫されます。

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深層学習の位置づけ
ニューラルネットワークのイメージ

カメラや顕微鏡などの画像データに対し、セグメンテーションや被写体認識などさまざまな特徴を抽出し、ユーザが望む情報を提供します。またカメラの被写体認識や細胞の追尾などリアルタイムでの処理も求められます。産業用途ではX線CTの画像においてノイズを除去し部品の微細な欠陥を明らかにします。

技術の適用事例

顕微鏡画像統合ソフトウェア NIS-Elements

Artificial intelligence(AI)の一種である深層学習技術を用いた画像処理機能を搭載しており、蛍光観察において低い励起光強度で取得した不明瞭な画像から明瞭な画像を生成することができます。光毒性を回避しつつ、正確かつ詳細な細胞などの動態解析が可能です。焦点面以外からの蛍光を除去する画像処理機能も備え、所望の観察面での対象物の構造を正確にとらえることができます。

顕微鏡画像統合ソフトウェア NIS-Elements

関連技術

データサイエンス

統計学・情報工学など、さまざまな学問領域の手法を用いて、データから有用な知見を引き出すことができます。インターネットなどのデータ通信のインフラが普及し、さまざまな情報がデータとして蓄積されるようになりました。これらの大量なデータを用いて、複合的な事象が複雑に絡む系での判断や予測が可能になります。

機械学習を用いた画像認識だけでなく、露光装置の安定した稼働のために、適切なデータを蓄積・分析し、モデルを構築・検証し、異常検知・予測するためにデータサイエンスは必要です。引き出したい知見に関連するデータを適切に収集するために対象とする装置や機器の仕組みを理解することやデータの分析・モデル構築の方法など多岐にわたる知識が求められます。人ではなく機械が処理しやすいデータの取得方法についてフィードバックすることも重要になっています。

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