AFシステム

技術概要

自動的に被写体にピントを合わせる(合焦させる)AFシステムは、カメラのピント合わせを簡単にするだけでなく、産業用途でも自動で精度の高い計測をすることができます。

AF(オートフォーカス)システムは、撮影対象を検知し、対象までの距離を把握し、その距離に応じて光学系などを駆動させます。オートフォーカスの方式には、撮像レンズを経て得られる画像からピントが合うレンズ位置を検出してレンズなどを駆動する方法と、レーザー光などによって対象までの距離を測定してその距離に応じてレンズなどを駆動する方法があります。
前者では画像センサーの出力を利用して像のコントラストが高くなるようにレンズなどを駆動するコントラスト方式やレンズから入った光を二つに分割してそれぞれで結像された二つの像のずれ量からピントが合うレンズ位置を検出する位相差検出方式などがあります。

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位相差AFの基本的な仕組み

カメラでは、様々な状況下でもピントを合わせたい被写体を素早く捉え、その後被写体が前後上下左右に移動してもピントを合わせ続けるために、高速高精度な演算処理やレンズ制御(駆動・停止)が必要となります。
カメラだけでなく、露光装置や画像測定システム、測量機など様々な装置に搭載されています。それぞれ異なる制約条件の元、精度や合焦させる速度などを達成する必要があります。

技術の適用事例

カメラ

Z 9の高性能AFは3つのテクノロジーに支えられています。ニコン初となる120回/秒の高速AF演算、ディープラーニング技術を用いて開発した優れた被写体検出、Z マウントならではの高速AF情報通信。これらのテクノロジーが融合し、高速連続撮影中でもランダムに動く被写体を正確に捉える高次元のAF追従性能を実現しました。
小さな被写体に対するAF追従性や「コンティニュアスAF」時の「瞳AF」/「顔検出AF」のピント精度などが向上しており、より確実かつ安定したAF撮影が可能。また、進化したAFアルゴリズムにより低輝度でもAFで撮影できます。さらに、ライブビュー用の露出とは別にAF制御ができるため、逆光シーンでも優れたAF性能を発揮します。

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ミラーレスカメラZ 9
Z 9のAFシステムを支える3つの技術

関連技術

光制御

光学部品を用いて光を自在に制御するだけでなく、光学系以外の系からの情報、例えばユーザからの指示値により光学系を動かし光の制御を変えるといったことができます。これにより複雑な光学機器において自動で多様な動きを実現することが可能となります。

半導体露光装置をはじめとする複雑な装置や様々な要求に応える必要があるカメラのような光学機器において、光学系以外からの情報を用いて光学系を駆動したり光学素子を制御することにより、所望の光が得られるようにします。高精度・高速で制御するためには、光と物質との相互作用や素子に対する光の応答などをより正確にとらえられている必要があります。

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マイクロミラーデバイス(SLM:空間変調器)により露光パターンを生成する光学系

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