光学系調整

技術概要

光学部品をそのまま組み立てるだけでは高い光学性能を発揮することは難しく、ニコン独自の計測技術を用いて、高精度、高品質な組立調整をすることにより、ニコンの各種製品において必要とされる光学性能を実現しています。製品性能の実現に加え、調整を踏まえた生産性の観点で組み立てやすい工程設計、これに基づく生産工程、作業が実現できるようにします。これによりQCDを満たす製品を作り出すことができます。

光学系の調整では、光学系を組み立てる工程において光学性能を評価し、所望の性能が出るように調整します。光学性能としては結像光学系では収差を指標とすることが多く、評価指標に基づきレンズなどの光学部品の位置や向きなどを調整します。
高い性能を求められる光学製品の構造は複雑で、コストやリードタイムを鑑みると、機能設計だけでなく生産設計の観点で組み立てやすい設計にする必要があり、開発段階から生産を想定します。シミュレーションの活用により開発期間を短縮し、課題を早期に洗い出して構造の最適化をします。それらを踏まえて、実際の組立調整の生産工程、各作業へと展開します。

高精度に加工された光学部品の位置などを高精度に調整することより、ニコンが求めれる光学性能を達成することができます。それを支えるのは、波面収差測定等のニコン独自の計測技術です。波面収差の解析結果から調整量を算出し、調整して所望の光学性能を得ます。
カメラや顕微鏡対物レンズ、半導体露光装置等、各製品の組立調整工程では、測定された収差の種類および大きさに応じて、光学系内の光学部品の位置などを調整し、所望の結像性能が得られるようにします。これまでよりも品質や生産性の高い製品を追い求めて、それぞれの製品での調整方法をほかの製品へ応用展開することにも取り組んでいます。

投影レンズの組立調整

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