インダストリアルエンジニアリング

技術概要

インダストリアル・エンジニアリング(IE)により、生産工程を4M1I(Man,Machine,Material,Method,Infomation)の観点で最適化することで生産性の向上(利益創出)を図ることができます。

IEでは、工程や作業方法、作業時間などを科学的な手法(IE手法)を用いて細かく分析し、価値とムダを定量化し、問題を明確化してより良いやり方を探し出します。メソッドエンジニアリング(ME)とワークメジャーメント(WM)の2つの側面があります。
メソッドエンジニアリングでは、作業の仕方について調査分析し、最もよい方法(最小の努力で最大効率の作業方法)を決めることであり、新製品の作業方法設計、既存の作業方法改善、レイアウト変更、新工場立ち上げ時、などの製造方法面のムダの改善に適用します。
ワークメジャーメントでは、決められた標準作業に対する標準時間を設定し、それを活用することによって、作業遂行面、移動率面のムダの改善に適用します。更に、標準時間を生産管理の生産計画や要員計画や原価管理などに反映することで、生産数UPや原価低減を実現し利益向上に繋げます。
IEによる改善の基本ステップは、「対象の選定、現状分析、改善案検討、改善実行」であり、改善実行後に効果検証し目標未達の場合は、現状分析のステップからやり直します。
主なIE手法として、対象選定する方法(P-Q分析)、作業時間測定する方法(時間研究)、作業の時間割合をみる方法(稼働分析)、人や機械の作業状況を把握する方法(連合作業分析)、工程の流れを把握する方法(工程分析)、運搬におけるムダを把握する方法(運搬分析)、ライン作業のバランスやムダを把握する方法(ラインバランス分析)などがあり、工程の特徴や課題によって適切に選択し調査・分析を行っていきます。

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インダストリアルエンジニアリングの全体像
生産風景

ニコンの扱う製品は、カメラのような生産数が多い製品や生産数の少ない特注品や露光装置など、それぞれの製品や工程に適した生産方式を採用しています。各製品の生産方式に対し、IEを適用し生産性の向上に取り組んでいます。交換レンズのような生産数の多い製品の場合、人とものの動線を考慮したレイアウト設計や各作業の作業量を考慮したラインバランスの最適化等もおこないながら、製品のQCD最適化に努めています。
IE手法は製造部門の生産工程や工程作業はもちろんのこと、製造部門以外の間接作業も対象としています。

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