光学技術

光学技術はニコンの様々な製品の根幹をなします。光を用いた計測、観察、加工、露光、そしてそれらに必要となる光学の知識体系、先進的な理論、応用技術をカバーする必要があります。製品に対してだけでなく、生産工程における組立調整や加工、品質保証においても光学技術は重要な役割を担います。
光は人の生活において身近であり、これを利用した技術の歴史は長く、用途に応じて様々な理論や技術があります。

光学系において、異なる光学特性をもつ材料の組み合わせやレンズ形状、レンズの配置を工夫することによって、所望の像が得られるように補正する技術です。ニコンでは、カメラの交換レンズや双眼鏡、望遠鏡、顕微鏡の対物レンズ、露光装置の投影レンズなど様々な光学系において仕様を満たすように設計します。

点から線、面、立体へと走査することにより、光を照射する領域の次元を上げることができます。計測系において取得する情報の空間分解能を上げたい場合や加工において光源の出力に限界がある中で必要な光のパワーを一か所に集中させる必要がある場合、走査は有効です。ニコンでは、眼底カメラや共焦点顕微鏡、面形状を計測するレーザーレーダ、光加工機などに用いられ、高速に正確に走査できることが重要となります。

X線は非常に短い波長の電磁波であり、可視光ではその光を通さない物質でもX線では透過する物質が多くあります。このX線を用いることで、可視光では「見る」ことができなかったものが、「見る」(検出)ことができるようになります。ニコンではこの光源を用いて部品の内部構造などを見ることができるX線/CT装置を提供しており、部品内部形状の検査などに用いられています。

一般的な光学顕微鏡の理論限界を超えた高い解像度での観察を可能にします。
これまで見ることのできなかった細胞小器官の構造などが観察できることにより、生物、医学、医療など、ナノスケールの観察が必要とされるさまざまな分野の研究に用いられます。ニコンでは、検出方法を工夫することや照明と画像処理によって解像度を上げる方法、観察対象物の光応答を利用する方法などを製品に適用しています。