ボリュメトリックビデオ

技術概要

3D/360°の映像データを用いることにより撮影後にアングルやサイズを自由に設定することが可能となり、制作プロセスを大きく変革します。VR(仮想現実)に加え、現実と仮想をクロスさせるAR(拡張現実)や MR(複合現実)にも対応することにより、現実のモノと仮想的なモノが影響し合う新たな空間を構築可能です。通常のカメラでは⼊り込めない位置からのアングル、⾼速でのカメラ移動。ボリュメトリック撮影でなければできないダイナミックな表現を映像のピークとなるシーンに活用できます。映像上の演出とも重なりつつ、今後の映像表現を切り拓いていく技術だと言えます。

被写体に対して様々な角度から多数のカメラで撮影し、複数の二次元画像から被写体の三次元モデルを再構築します。この再構築では複数の画像における同一の点を三次元の座標において特定していき、被写体の点群(ポイントクラウド)データを得ます。この点群データから被写体の表面を作成し三次元モデルが完成します。
三次元モデルの表面の各メッシュに色などのテクスチャを適用し、レンダリングに必要な情報を作成します。再構築した被写体と視聴者の視点および照明に応じて変化する二次元画像をリアルタイムで描写します。

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コンテンツ制作フロー

ニコンクリエイツのボリュメトリックビデオ撮影システム“POLYMOTION STAGE”は、100個を超える高性能カメラで360度から被写体を撮影。このデータを元にMicrosoftの技術を活用して非常にフォトリアルな「動きのある」3D映像データを生成します。人物の表情はもちろん、髪や服の動きまで、卓越したリアリティで再現します。

技術の適用事例

映像ソリューション

ニコンクリエイツのボリュメトリックビデオは動きのある3D/360データ映像を卓越したリアリティで生成します。アングル決めもズームも撮影後に行え、編集の自由度を大きく高めます。
これ以外の撮影技術であるバーチャルプロダクションは、大型LEDディスプレイに3D背景の映像を表示し、演者やオブジェクトを、カメラの向きやレンズの画角に合わせて背景映像をリアルタイムに変化させることができます。これにより、撮影はロケ地の天候、時間に左右されず、大きな美術セットを建て込む必要もなく、コスト削減が可能。ロケ地への移動もなく、省電力にもなり、CO2削減にも貢献すると言われています。

ボリュメトリックビデオの撮影スタジオ(詳しくはこちらOpen in a new window

関連技術

合成・生成

画像を合成したり生成することにより、撮影から直接得られる画像より必要な情報を得ることが可能になります。例えば、X線CTでは、一方向から投影されたX線の透過画像からでは投影方向で構造が重なってしまいます。さまざまな角度からの透過画像を三次元画像に再構成することにより、知りたい段面での画像を得ることができます。

X線CTだけでなく、顕微鏡のように試料を光軸方向に動かしながら顕微画像を得ることにより三次元画像を得ることができ、病理診断では、組織の立体的な構造の把握や見たい断面の画像を観察できるようにすることが求められます。レーザーレーダのような形状計測では、計測からは点群データしか得られず、直観的な把握や別の解析で利用するために画像として再構成することが必要になる場合があります。

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共焦点顕微鏡の3Dイメージング (CAR-T細胞動態)
試料名:AIM Biotech社製の3D細胞培養チップを用いてシンプルな3D免疫細胞傷害性アッセイモデルを構築し、in vitro イメージングによりT細胞の免疫効果を測定
使用製品:共焦点レーザー顕微鏡システムAX/AX R、20倍水浸(NA 0.95)対物レンズ
動画内の色味の説明:緑: GFP標識Hep3B、オレンジ: mCherry標識CD133特異的CAR-T細胞、赤: Alexa 633標識切断型カスパーゼ3

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