ノイズ低減

技術概要

画像において撮像対象としていない信号を低減することにより、写真の場合は撮影対象をはっきりと再現することができ、その画像から情報を抽出する場合は正確な処理を行うことができます。

ノイズの発生起因によってノイズの現れ方には特徴があり、原因に適した低減処理が必要です。ノイズは、イメージセンサーの画素や回路から発生するものやイメージセンサーから得られた信号のデジタル化や画像圧縮により発生するものもあります。これらの影響が本来得たい信号に対して目立つ場合に、ノイズの特徴に合わせたフィルターなどを適用します。たとえばメディアンフィルターでは、注目する画素において周囲の画素の信号と滑らかになるような空間フィルターを適用することにより一画素のみに特異的に発生しているノイズ信号を緩和します。

[拡大]画像クリックで拡大別窓で遷移します

メディアンフィルターによるノイズ低減

写真の画像では様々な条件で撮影され、非常に暗い環境で撮影した画像では信号が弱くノイズが目立ちます。信号は残しつつノイズを効率よく低減する必要があります。例えば、顕微画像のように細胞などの境界を抽出したい場合、境界を残しつつノイズを低減するためのフィルターを適用する必要があります。フィルタ以外のノイズ低減では、機械学習によりノイズの特徴をとらえてノイズを取り除く方法もあります。検査装置などに用いられる画像処理では欠陥などの対象物をノイズと区別して処理できることも求められます。

技術の適用事例

カメラ

Z6IIIは暗いシーンも美しく撮れる、優れた高感度性能を有します。静止画は最高ISO 64000、動画は最高ISO 51200の常用撮像感度を実現します。画像処理エンジンEXPEED 7により、建物などのディテールがある部分と夜空などの平坦な部分とで異なる強度のノイズ処理を行い、細部の高い解像感を保ちながら、夜空に発生しがちなざらざらとしたノイズを効果的に軽減します。夜や室内等の薄暗いシーンでの撮影の楽しさがさらに高まります。

ミラーレスカメラZ6III
暗いシーンの撮像事例

関連技術

高画質化

画質の良し悪しは見る人の主観にも依存するものであり、見たいものが見れるように画像処理をします。デジタルカメラによる写真画像では、一般的にノイズ低減や高解像化、色の補正、シャープネスなど、ユーザが所望するような画像を提供します。

プロ向けのカメラでは、写真家が要求する画質のレベルに応えるだけでなく、様々な撮影条件での画像においてシャープに表現したいところ、連続的にぼかしたいところなど、写真家が表現したいように画像処理できる必要があります。

[拡大]画像クリックで拡大別窓で遷移します

一眼レフカメラD6におけるシャープネスの調整事例

関連する主な製品