画像処理技術

画像処理技術は光学機器の高付加価値化に必要な技術です。カメラや顕微鏡ではユーザが見たい画像となるように処理したり、顕微鏡や測定機においては、取得した画像から最終的に欲しい情報を抽出します。撮影した画像を再構成・合成したうえで、必要な情報を取り出すことも可能です。製品だけでなく、生産工程でこれまで人が目視で行っていた調整や検査などの代わりとしても、画像処理技術は重要な役割を担います。

画像において撮像対象としていない信号(ノイズ)を低減することにより、撮影対象をはっきりと再現することができ、その画像から情報を抽出する場合には正確な処理を行うことができます。ノイズ低減により本来欲しい信号が欠落しないようにする必要があり、想定されるノイズに応じた画像処理が必要になります。ニコンではカメラでの暗い撮影シーンの画像や厚みのある試料の顕微画像、画像測定機などにおいて、ノイズ低減は重要な技術となります。

注目する対象物を画像において認識できることにより、その対象物に自動で合焦させることや追尾すること、大量の画像を自動で分類することなどが可能になります。ロボットの目としては認識した対象物に応じて自律的に行動をさせることができます。ニコンではカメラにおいてユーザが所望する被写体に焦点を合わせることやロボットビジョンでの物体認識などに用いられます。

3D/360°の映像データを用いることにより撮影後にアングルやサイズを自由に設定することが可能となり、制作プロセスを大きく変革します。通常のカメラでは⼊り込めない位置からのアングルや⾼速なカメラ移動に相当する映像表現を可能にします。ニコンでは、100台をこえる高性能カメラで360度から被写体を撮影できる環境を提供し、自由度の高い映像表現の可能性を追求します。