CTOメッセージ

視野を広く、他者と協力し自らの技術を磨き続ける

ニコンは創業以来、光の可能性に挑み続け、光利用技術と精密技術をコアとして、多様な製品やサービスを展開し、社会に新たな価値を提供してきました。

例えば、半導体露光装置はその象徴であり、光と精密を極限まで追求した製品です。これにより半導体技術の進化を牽引し、今日のデジタル社会の実現に大きく貢献してきました。また、カメラは「Made in Japan」に対する世界からの見方を変えるほどの高品質、高性能を実現し、映像文化の発展に寄与しています。ニコンは100年以上の間、技術の進歩と多様化を遂げながら、顕微鏡、測定機、双眼鏡、望遠鏡、カメラ、露光装置など、「見えなかったものが見える、できなかったことができる」製品を数多く生み出してきました。

中期経営計画では、2030年に向けて「人と機械が共創する社会の中心企業」を目指し、2030年以降の社会がどうなっていくか、そこでの課題は何か、ニコンはどういうソリューションを提供できるのかを思い描きながら、光利用技術と精密技術を中心に技術開発を進めていきます。そこで重要なのは、自社の強みと弱みを把握した上で、社外の技術動向、ターゲット市場における課題、お客様の真のニーズを捉えるための情報収集の力になると思います。お客様はもちろん、パートナー企業との人間関係をしっかりと構築し、お客様の欲しいモノやコトを実現するために、自分たちで開発すべき技術は何か、パートナー企業と協力して開発すべき技術は何か、パートナー企業にお任せすべき技術は何か、しっかり見定めていきたいと思います。技術者一人ひとりにも、得意分野をさらに磨くとともに、他者との連携や社外の技術動向にも視野を広げてほしいと願っています。
これからもニコンは、クオリティオブライフとインダストリーの価値提供領域において、明るい未来を切り拓く技術やサービスを提供し、社会を豊かにする基盤となる科学技術の発展に貢献していきます。

2024年11月
取締役 兼 専務執行役員CTO
大村 泰弘