ものづくり

製品企画から製造まで品質にこだわる

ニコンでは、個人のお客様向けのBtoC製品や企業のお客様向けのBtoB製品を扱っています。BtoC製品ではカメラやメガネ、双眼鏡などがあり、BtoB製品では製造ラインを持つ企業向けの高精度な産業用ロボットや製造装置、その部品となるコンポーネント、研究機関や病院で人々の健康を支える顕微鏡などがあります。各製品で求められる多様な品質・価格・納期に対応しています。
例えば、品質面では、半導体露光装置のようなナノメートル(1nm=1mmの100万分の1)単位の世界最高水準の精度から、顕微鏡や産業用ロボット、カメラなどの人の知覚レベルの精度、一周約4万kmの地球を宇宙から見る人工衛星用の光学機器に求められる精度にまで対応しています。

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多様なサイズに対応するニコンの製品

そして、海外にも展開するニコンの製品は、世界中どこでつくっても「ニコン品質」である必要があります。品質だけでなく、価格、納期についてもお客様のニーズに的確にお応えするために、グループ会社を含む全体で最適化したエンジニアリングチェーンマネジメント(ECM)、サプライチェーンマネジメント(SCM)を展開し、製品の品質を保証する品質管理をおこなっています。これにより、ニコンのものづくりを支えています。
ものづくりは、並行もしくは先取りした開発により得られる要素技術を適用しながら、製品企画、設計、試作、製造を実行します。

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ニコンのものづくりの全体像

ものづくりの活動

企画・設計・試作

エンジニアリングチェーンの初期段階では、お客様の欲しいモノやコトを実現できる製品を企画し、構想設計にて仕様を設定します。そして、その仕様を満たすよう製品設計を行い、詳細な図面を作成し、図面に基づいて製作した試作品が想定通りの仕様を満たすことを検証します。設計では、試作や製造を事前に考慮するフロントローディングにも取り組んでいます。3Dモデルやシミュレーションを積極的に活用し、試作・開発コスト・期間を削減します。さらに、設計段階で、製造現場や生産技術を担当する部門と協議し、製造・生産設計視点でのフィードバックを収集します。それを設計に反映し、製造現場がより少ない工数で低コスト、かつ、つくりやすくなるよう、図面の質を向上させる取り組みをおこなっています。

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企画・設計・試作までの流れ

製造

ニコンはグループ会社を含む全社にて、サプライチェーンの素材から出荷前までの製造にあたる範囲をカバーしています。特に光学部品に関しては、素材から社内で手掛けています。一般的なガラスよりも広い波長帯域で光の高い透過率を有する光学ガラス、合成石英ガラス、蛍石などの特殊な硝材は、ニコングループ内で製造しています。これにより、ニコン製品に用いるレンズは、様々な波長や強度の光を用途に応じて自在に操ることができます。
ニコングループ内で組立まで手掛ける製品に関しては、それらの硝材の加工だけでなく、メカ部品の加工や部品の組立も高精度におこない、厳しい基準での検査を実施しています。出荷、販売までをグループ内で一貫しておこなっています。さらに、世界最高水準の精度に対応するため、加工や組立のための生産設備・検査装置も、必要に応じて社内で開発、製造しています。
サプライチェーン上での幅広い範囲をニコングループ内でカバーすることで、統一された品質基準により安定した品質の製品を社会に提供しています。

1. 光学ガラス製造・加工
2. レンズ加工
3. 部品加工・成型
4. 組立調整
5. 性能評価

品質管理

ニコングループ全体で品質マネジメントの方針を「品質基本方針」として定め、その実践のために「品質管理指針(QMD:Quality Management Directive)」を策定・運用しています。QMDはECM・SCMの2つのプロセスのすべてについて業務フローや成果物が満たすべき基礎的要件を規定しています。ニコングループの各業務段階で設定される指示書などは、このQMDに準じています。
ニコングループでは、この品質マネジメントシステムを運用し、常にその有効性や外部の規制などの変化を評価して対応し続けることで、お客様のご期待とご要望に応え、高い品質の商品を適時に適切な価格で提供しています。そして世界のどの生産拠点でも「Made by Nikon」の品質でものづくりを行うことを実現しています。

海外生産拠点でも世界同一品質を実現
入念な完成品の最終チェック