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照井 勇輝
Interview
光学と画像処理、
2つの先進技術を融合し、
ミクロの世界をイメージングする。
照井 勇輝
Yuki Terui
光学本部 要素開発部 第四開発課
2012年入社
物理工学専攻修了
現在の仕事
生物顕微鏡の光学技術・画像処理技術の研究開発
Profile
Yuki Terui
入社動機
学生時代、ニコン出身の教授が講義中に「半導体露光装置はビッグビジネスなんだよ」と楽しそうに話をしているのを聞いてニコンに興味を持ちました。勤務地が関東周辺に集中していること、先輩社員たちの雰囲気が穏やかで自分に合っていると感じたことも入社の決め手です。
異動歴 ※名称は当時のものです
2012年4月:コアテクノロジーセンター 研究開発本部 光技術研究所 第五開発課
2014年8月:コアテクノロジー本部 研究開発統括部 バイオイメージング開発部 第二開発課
2017年6月:研究開発本部 光技術研究所 第四研究課
2021年10月:光学本部 要素開発部 第四開発課
One Day
08:30:出社、メールチェック、1日のスケジュール確認
09:00:昨日取得した実験データの解析
11:00:打ち合わせのための資料まとめ
12:00:昼食
13:00:課内の打ち合わせ。解析結果の報告など
14:00:技術情報収集のための論文調査
15:00:提案手法のシミュレーション検討
17:30:退社
光学技術と画像処理技術の
融合による生物顕微鏡開発。
どのような研究開発テーマに取り組んでいるのですか。
生物顕微鏡の光学技術や画像処理技術の研究開発です。「細胞内部の細かい構造を観察したい」「広い範囲を高速に観察したい」など、テーマは多岐にわたります。最近はAIをはじめとした画像処理技術の進展も顕著なので、光学技術だけでなく、撮影した画像をいかに処理するかというデジタル技術も重要です。光学と画像処理という2つの先進技術を融合させて、新技術の研究開発に取り組んでいます。また、装置としての使い勝手も大切な開発要素です。お客様の声にも耳を傾けながら業務を進めています。
研究と開発のバランスはどのような割合でしょうか。
あえて言うならば、基礎的な研究、製品に関わる開発が半々くらいという感じでしょうか。研究については、学会活動も積極的に行っています。顕微鏡の研究者が集う国際的な学会には、毎年課内の有志が参加しています。研究の第一線での情報収集が主な目的ですが、私自身も発表しています。今年は国内の学会でも発表を行い、優秀賞を受賞しました。このような学会の場では、思わぬ驚きに出会うことがあります。先日、初対面の研究者から「ニコンの顕微鏡で非常によい画像が撮れた」と感謝の言葉をかけてもらいました。お客様の感謝の声を直接耳にする機会は少ないので、嬉しかったです。私が開発に携わった顕微鏡で撮影された画像が論文に掲載されたり、医療機関で活用されることもあり、やりがいと責任の重さを感じています。
製品の研究開発には、
ユーザー目線も欠かせない。
これからの研究開発で大切にしていきたいことはありますか。
光学や画像処理といった技術を深めていくばかりでなく、ユーザー目線も欠かせないと考えています。もちろん、顕微鏡の常識を打ち破るような、独創的な技術を生み出そうというチャレンジングな姿勢は大切です。しかし、ユーザー目線を欠いた独りよがりの研究開発の成果を良い製品に結び付けるのは困難です。そのためにも、顕微鏡のユーザーの皆様にお会いして直接話を伺う機会を増やしていきたいです。最近、顕微鏡ユーザーの皆様からヒアリングを行うプロジェクトにも参加しています。会社の研究室にこもっているのではなく、もっと外の世界との繋がりを意識して行動する研究者を目指したいと思っています。
初めて主担当を任された開発で、
技術者として自信を得た。
印象に残っているエピソードを教えてください。
入社1年目は研修、2年目もOJTが主体で、私が技術者として独り立ちしたのは入社3年目に超解像顕微鏡に関わる画像処理アルゴリズムの改良を任されてからです。私にとって主担当としてチャレンジする初めての開発。張り切って取り組みました。自分なりに試行錯誤を重ね、仕事中はもちろん、家に帰っても考え続けるくらい熱中しました。そんな日々が1年ほど過ぎて、やっと満足できる改良にたどり着きました。この開発は社内賞にも選ばれ、顕微鏡の技術者として自信がつきました。この何年か後、やはり技術改善の案件で、会社からの帰り道にアイデアを思いつき、大きな成果に結びついたこともあります。当時は若くて独身だったこともあり、いつでも研究開発のことで頭がいっぱいでした。今では結婚をして家庭もあるので、ワークライフバランスも大切にしています。
私の2030年のありたい姿
社内ばかりでなく、社外の人たちから頼られるような存在になりたいです。顕微鏡ユーザーの皆様との接点をさらに増やして、私たちのお客様がどのような課題を抱えているのか、十分に把握していきたいです。さらに、まだお客様が気づいていないような未来のニーズを掴み取ることも大切だと思います。お客様の困りごとを解決する画期的なソリューションを提供してニコンのブランド力向上に貢献し、さらには「照井さんが開発した顕微鏡なら安心」と言ってもらえるようになれば最高です。
オフの過ごし方
Off Shot!
最近、子どもが産まれたので、慣れない子育てに奮闘しています。大変なことも多いですが、無垢な笑顔に毎日癒されています。また、趣味で熱中しているのが競技プログラミング。週末にコンテストに参加して、全国のライバル達と競い合っています。コンテストで鍛えたプログラミング能力が、業務にも活かされています。
※社員の所属やインタビュー内容は取材当時のものです