Interview

事業部のよきパートナーとして、
法的側面からニコンの
企業価値を高めていく

Takahiro Tsukamoto

法務・知的財産本部 法務部 第一課
2011年入社
法学部政治学科卒

現在の仕事

事業部から依頼されたM&Aや出資アライアンス、契約審査などを担当

Profile

Takahiro Tsukamoto

入社動機

将来、自分が何をしたいのか、どんな力を活かしていくのか。そう自問して大学3年次に知的財産管理技能士の資格を取得しました。就職活動では知的財産を重視するメーカーを中心に訪問しましたが、知的財産に関する仕事は主に技術系の分野であり、文系出身の自分には厳しい世界です。そうした中で、私の希望に真摯に向き合ってくれた企業がニコンでした。

異動歴 ※名称は当時のものです

2011年4月:知的財産本部 知的財産渉外部 第二課
2013年10月:知的財産本部 知的財産三部 第四課
2014年8月:知的財産本部 知的財産三部 第二課
2019年10月:知的財産本部 ライセンス部 ライセンス二課
2020年7月:法務・知的財産本部 法務部 第三課
2023年7月:法務・知的財産本部 法務部 第一課

One Day

09:30:スーパーフレックスタイム勤務により少し遅めの出社。メールチェックと急ぎの案件対応
11:30:混雑を回避するために少し早めの昼食
13:00:契約書のドラフティング、レビュー
15:00:事業部とのミーティング。契約審査を依頼された背景、事業計画、希望の契約条件をヒアリング
16:00:M&A・アライアンス案件や社内教育資料の作成。
17:00:最新の法改正などの調べもの
18:00:新規契約案件の受任。事業部の希望スケジュール確認・他契約案件の調整
18:30:翌日のスケジュールやタスクを確認して退社

法的側面から
すべての企業活動を支える。

法務部のミッション、業務内容はどのようなものですか?

法務部は、国内外のM&Aやアライアンス等に関する法務業務をはじめとして、訴訟案件対応、売買・委託・知的財産契約等の審査、個人情報保護その他の法令対応、法律相談、海外現地法人の法務部との連携など、法務に関わる幅広い業務に対応しています。いわば、ニコンのビジネスに関わるすべての法的側面を担当し、 企業活動が法令や契約と整合性をもって適正に行われるようサポートすることがミッションです。
法務部は4課から成っており、私が所属する法務部第一課は、社長室、デジタルソリューションズ事業部、産業機器事業部などで発生するM&A、出資アライアンス、契約審査案件を担当しています。また、私自身は法務システムの導入・改修や契約雛形の整備に携わる他、リーガルリテラシー向上のための社内教育研修業務にも関わっています。

業務の流れを教えてください。

契約審査の場合、まず各事業部が契約管理システムに案件登録を行い法務に依頼します。その内容に応じて各課長が担当者を決定、法務審査がスタートします。案件登録の際に、契約の内容や目的などがまとめられていますが、それだけでは十分とは言えません。そこで担当者は事業部に詳細なヒアリングを行い、案件の背景や狙いを正確に把握します。開発者や営業担当者にもヒアリングを重ね、どうすれば万全なのか、どのような契約文書が適切なのか綿密に検討します。その後、契約書のドラフトを作成し、契約が合意に達したら正式な契約書を作成します。法務の立場からすればできるだけ自社に有利な契約を結びたいのですが、それでは相手企業も納得せず、商談に悪影響を与える可能性もあります。その落としどころを探るにはビジネスのトレンドや技術動向を理解しておく必要があります。

ワールドワイドな舞台で、
ニコンの「今」と「未来」を垣間見る。

法務の魅力、面白さとは何でしょう?

先にも触れたように、契約条件の検討や法的リスクの分析を行うにあたり背景を理解することはとても重要です。何のための契約なのか、どんな狙いを持ったM&Aや出資アライアンスなのか、その本質をしっかり見据え、法的側面からニコンの企業価値を高めていくことが私たちの役割です。その“本質を見極める”中でニコンの「今」と「未来」を垣間見ることができます。現在、ニコンは様々なビジネスの新規開拓を進めていますので、より一層面白味を感じることができると思います。
また、海外売上比率(80%)が示す通り、契約相手方、M&A・出資アライアンス先はワールドワイドです。英文契約交渉、外国の弁護士との協働といった経験が得られるのはもちろんのこと、大きな案件ではプレスリリースされることもありますので直接的なやりがいを感じることができると思います。

※2023年3月期

法務にも求められる
ビジネスの視点。

印象に残っている案件・エピソードがあれば教えてください。

私は入社2年目から契約管理システムの導入・改修に携わっています。契約審査や法律相談はこのシステムを介して行われており、保守の関係で一定のサイクルで改修が必要となります。その際、社内から寄せられた課題を克服するために機能改善に取り組むこともあります。予算確保から製品選定、仕様策定、開発、テストまでの一連の業務は法務では味わえない仕事であり、とても新鮮でした。事業部に伴走する者として、事業部のビジネスの流れと似た経験が得られたことも大いにプラスです。今後も法務業務を効率化し、重要案件にリソースを集中させる一助としてより良いシステムの構築を検討していきたいと思っています。

私の2030年のありたい姿

ニコンは、ありたい姿に向けた全事業共通戦略の1つとして「中長期視点で顧客と伴走、共創を推進(お客様の欲しいモノやコトの「本質」を理解)」を掲げています。法務部の場合、伴走すべき顧客は事業部の方々です。事業部のビジネス計画や要望をよく理解し、論点を整理し、その上で効果的な提案を行うことで、事業部との確実な伴走を実現し、事業部にとっての良きパートナーとなれるよう研鑽していきたいと考えています。そのために、今後さらに求められる法的知識を深めるとともに、本質をすくい上げるビジネス感覚を研ぎ澄ませていきたいと考えています。

Off Shot!

夏から秋にかけては南北アルプスを中心に登山、冬から春にかけては高尾や秩父などの未舗装道を走破するトレイルランニングと、1年を通してどこかの山に出かけています。夏季休暇とお盆休みがあり有給休暇も取りやすいため、天気と睨めっこしながら登山を楽しんでいます。写真は今年の山の日に訪れた白馬岳の雄姿。Z 6のファインダー越しに覗いた標高約3000mの世界は格別でした。

※社員の所属やインタビュー内容は取材当時のものです