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淺井 健太
Interview
「史上最も精密な機械」への
取り組みを通して、
オールラウンドな設計者へ。
淺井 健太
Kenta Asai
精機事業本部 半導体装置事業部 開発統括部 第二開発部 第一開発課
2018 年入社
工学院 機械系 エンジニアリングデザインコース 修了
現在の仕事
メカ(機構)設計
Profile
Kenta Asai
入社動機
大学・大学院で精密工学(MEMS・フォトリソグラフィなど)の研究を通して得た知識を、ニコンが有する世界レベルの精密技術のフィールドでいかしたいと考えて、入社を決意しました。
異動歴 ※名称は当時のものです
2018 年4月:生産本部 設備技術開発部 企画課 技術研修係
2019 年4月:半導体装置事業部 開発統括部 第二開発部 第二開発課
2019 年7月:半導体装置事業部 開発統括部 第二開発部 第一開発課
2023 年4月:精機事業本部 半導体装置事業部 開発統括部 第二開発部 第一開発課
One Day
8:30:出社、メールチェック、一日のスケジュールを確認
9:00:資料作成(各種打ち合わせ資料、仕様書他)
10:00:チーム定例ミーティング、チーム内での進捗報告・共有
12:15:昼食
13:00:外注先とのミーティング、外注製品の仕様を協議
15:00:モデル・図面作成(CAD)
17:00:解析・理論計算・3D モデルへのフィードバック
19:00:退社
半導体製造の重要工程を
支える搬送モジュール。
担当している半導体露光装置について教えてください。
私が関わっている半導体露光装置は、スマートフォンや家電製品に欠かせない半導体製造の重要な工程を担っています。複雑で微細な電子回路のパターンを大きなガラス板に描いたフォトマスクを、高性能レンズで縮小し、シリコンウェハといわれる基板に焼き付ける装置です。そのうち、装置の外部からシリコンウェハを搬入/搬出するウェハ搬送モジュールのメカ(機構)設計が私の担当業務となります。ウェハ搬送モジュールの機構は、ウェハを運ぶロボット、ウェハを露光ステージの決められた位置に精確に置くための計測系のシステムから構成されています。1個の半導体を作るためには、数十回フォトマスクを交換しながら、繰り返して回路パターンを焼き付けます。その間、フォトマスクとウェハのずれがおこらないよう、私の手掛けるモジュールには、極めて精密に位置決めをコントロールすることが求められます。
現在の仕事内容について教えてください。
メカ設計の仕事は、新機種開発とトラブル対応の2 種類に区分できます。新機種開発は、「もっと多様なウェハが扱えるように」あるいは「同じ時間でもっとたくさんの半導体がつくれるように」といったお客様からの要望を受けて、新しいモジュールをつくる仕事です。具体的には、新しい設計が適正かを評価する理論計算、熱シミュレーション、3D モデリングなどにもとづいて図面を作成し、試作品の評価・検証を経て、求めれられる要件を充足させるモジュールづくりに取り組みます。トラブル対応というのは、社内での装置立ち上げ時、あるいは既に客先で稼働している装置で発生した問題の解決です。発生したトラブルの原因の理論的考察、再現評価などを通して、解決策を検討し、図訂を行います。
試作と検証を繰り返して
厳しい要求仕様に挑む。
どんなところにやりがいを感じますか。
「社会に貢献する半導体産業を支える装置をつくる」というやりがいがありますが、設計者としては「自分が考えたアイデアが形になること」が何よりのモチベーションとなっています。さらに「史上最も精密な機械」ともいわれる半導体露光装置に関わる仕事ならではの喜びもあります。特に嬉しいのが、試作や検証を何度も繰り返して、設計上の不具合を解消して要求される厳しい仕様を満たせた時です。本来は、設計~試作~量産に至るまでの途中で不具合がまったく起こらないのが望ましいのですが、そうはいきません。自分の知恵を振り絞って懸命に理論計算をしたり、上司や先輩からのアドバイスを活かしたりすることで、不具合を限りなく減らすように努めますが、どうしても0にはできません。それだけに、担当モジュールを無事に完成させ、次工程に引き渡すことができた時には、確かな達成感が味わえます。
設計者として
成長した初めての構想設計。
印象に残っているプロジェクトを教えてください。
入社3年目に携わった新機種開発のプロジェクトが、私にとって成長の糧となりました。開発内容としては既存機種のマイナーチェンジレベルでしたから、当時の自分にとっては、ほどよいボリューム感と難易度の仕事でしたが、初めて構想設計の段階からウェハ搬送モジュールに関わったことで多くを学ぶことができました。「既存機種よりも高度な要求仕様」「ニコンとしても初めてのタイプのウェハの搬送」といった課題に加えて、「電気・ソフト・システムなど他の設計者との連携」「定められたスケジュールにあわせた開発進行」など、未経験の業務に無我夢中で取り組みました。このプロジェクトで得た経験や知識が、その次からのプロジェクトに大いに役立ちました。
私の2030年のありたい姿
目指すのは、オールラウンダーなメカ設計者です。メカ設計は、材料・流体・熱・機械力学など、さまざまな専門性がベースとなる仕事です。一つの専門性を究める道もありますが、自分としては手広い分野を知っている設計者へ。半導体露光装置のような超精密な世界では、ほんのわずかな違いで要求仕様を達成できませんから、設計者は常に行き詰まりとの戦いです。それを打ち破るために、幅広い分野のアイデアが入った引出を持っていて、状況に合わせて、多彩な視点からのアプローチができるようになりたいと思います。
オフの過ごし方
Off Shot!
休日は、愛車の4WDでドライブに出かけます。日帰りだったり、ちょっと遠出をしたり、行き先はさまざまですが、どこにいくにもNikonのミラーレスカメラと一緒です。撮影対象は主に風景ですが、有名無名を問わず、あちこちの滝に立ち寄ることがよくあります。
※社員の所属やインタビュー内容は取材当時のものです