NASAに国際宇宙ステーションで使用するフルサイズミラーレスカメラ「ニコン Z 9」を納入

調査や、宇宙飛行士の生活記録などのミッションに活用

2024年2月7日PRESS RELEASE/報道資料

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株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区)は、「ニコン Z シリーズ」のフラッグシップモデルであるフルサイズ/FXフォーマットミラーレスカメラ「ニコン Z 9」(2021年12月発売)を、アメリカ航空宇宙局(NASA)に納入しました。「Z 9」は2024年1月に国際宇宙ステーション(ISS)に送られており、NASAの宇宙飛行士が地球や宇宙の印象的な画像を高画質かつ鮮明に撮影できるよう支援します。「Z 9」はISSの乗組員によって使用される初のニコンのミラーレスカメラとなり、今回の件は「ニコン Z シリーズ」にとって重要な功績となります。

複数の「Z 9」ボディーとNIKKOR Z レンズは、NASAとの契約に基づくノースロップ・グラマン社による20回目の商業補給サービスミッションで、SpaceX社の「ファルコン9ロケット」に載り、2024年1月30日に米国フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地40番発射台から打ち上げられISSに送られました。現在ISSに装備されているニコンのデジタル一眼レフカメラ「ニコン D6」(2020年5月発売)と、2017年から使用されている「ニコン D5」(2016年3月発売)が最新のミラーレスカメラ技術を採用した「Z 9」に置き換えられます。

50年以上前のアポロ15号のミッション以来、ニコンのカメラとレンズはNASAのさまざまなミッションやスペースシャトルでの宇宙探査に使用されてきました。フィルム一眼レフカメラ「ニコン F5」(1996年10月発売)とNIKKORレンズは、1999年よりISSで使用され、科学研究、メンテナンス、そして宇宙飛行士による地球や天空、さらにその先の象徴的な画像の撮影をサポートしてきました。これらの機材はISSの内部だけでなく、NASAが開発した特別な保護カバーを用いて、真空状態の宇宙空間でも使用されてきました。さらに2008年にはデジタル一眼レフカメラ「ニコンD2XS」(2006年6月発売)が、2013年には38台のデジタル一眼レフカメラ「ニコンD4」(2012年3月発売)と64本のNIKKORレンズがISSの乗組員に届けられました。

「ニコン Z マウントシステム」のミラーレスカメラは、2018年の発売以来、最新の技術革新や継続的なファームウェアのアップデートに加え、急速に拡大するNIKKOR Z レンズのラインナップによって発展を続けてきました。「Z 9」はニコンのフルサイズミラーレスカメラのフラッグシップモデルで、堅牢性とプロフェッショナル向けの信頼性、最先端技術の搭載が高く評価されています。「Z 9」は、このカテゴリーのカメラとして初めてのメカシャッターレスを実現し、可動部品を最小限に抑えることで耐久性を最大限に高めています。ISS内で使用される「Z 9」のカメラ本体のハードウェアは宇宙ミッション用に特別な改良などが加えられていないため、ISSの乗組員は、地上のユーザーが使う市販品と同じ品質のカメラを宇宙空間でも利用していることになります。これは、ニコンの技術で開発された「Z 9」が無重力の中での生活や宇宙探査という過酷な環境下でも活躍できることを証明しています。

なお、「Z 9」のカメラ本体のハードウェアは市販品と同じですが、NASAとの協業によって、宇宙飛行士と宇宙環境に適したカスタムファームウェアを開発しました。これにはISSで乗組員や機材が常に浴びる宇宙放射線を考慮した、ノイズリダクションの適用範囲を高速シャッターにも拡張する対応などが含まれます。さらに、ISSでの使用や船外活動時に保護カバーに包まれた状態での使用への最適化を図り、ファイル名の付与ルールや初期設定、操作性にかかわる変更を行っています。また、宇宙飛行士のワークフローを簡素化し、宇宙から地球に画像を送信する際の効率を高めるとともに消費電力を削減するために、カメラ内のFTP通信制御にも変更を加えています。

ニコンは、今後もユーザーが求める製品・サービスの開発・提供を通して、映像表現の可能性をさらに拡げることを目指し、映像文化の発展に貢献します。

国際宇宙ステーション(ISS)で新たに使用されるカメラとNIKKORレンズ

今回納入されたのは、13台の「Z 9」、超望遠レンズやマイクロレンズを含む合計15本以上のNIKKOR Z レンズそして15個の「マウントアダプター FTZ II」です。

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