縮小投影倍率5倍 i線ステッパー「NSR-2205iL1」を発売
多様な半導体デバイスに対応し、既存装置の置き換えに最適
2023年8月31日PRESS RELEASE/報道資料
株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区)は、パワー半導体、通信用半導体、MEMSなど様々なデバイスに対応し、ニコンの既存のi線露光装置との互換性が高い縮小投影倍率5倍 i線ステッパー「NSR-2205iL1」を発売します。コストパフォーマンスに優れ、ウェハ素材を選ばず、様々な半導体デバイスの効率的な生産に貢献します。なお、縮小投影倍率5倍のi線露光装置の新製品発売は、25年ぶり※1のこととなります。
- ※1「NSR-2205i14E2」の受注を開始した1999年から起算
発売概要
商品名 | 縮小投影倍率5倍 i線ステッパー「NSR-2205iL1」 |
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発売時期 | 2024年夏頃 |
開発の背景
電気自動車や高速通信、様々なITデバイスの普及が進む中、これらを支える半導体への需要は高まっています。こうした半導体への要求性能は多岐に渡り、露光装置に対するお客様の要望も複雑化、高度化しています。
ニコンは、これまでは中古装置のリファービッシュ等で旺盛な需要に応じてきました。お客様へより最適なソリューションを提供すべく、お客様との伴走活動を通じて得た知見をもとに、露光装置の老朽化・需給ひっ迫が進む縮小投影倍率5倍のi線露光装置市場へ新製品を展開することを決定しました。さらに、多様なニーズに対応する各種オプションを拡充することで、半導体製造装置を通じてお客様の半導体デバイス生産を長期的な視点で支えていきます。
主な特長
多様なニーズに対応しつつ、高いコストパフォーマンスを実現
多点オートフォーカス(AF)によるウェハ計測の高精度化とウェハステージのレベリング※2性能の高度化、Wide DOF(焦点深度の範囲拡大)等により、様々な半導体の製造プロセスにおいて歩留まりの水準を維持しつつ、高い生産性を実現します。加えて、ウェハの厚さや大きさ、反りの許容範囲が広く、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などの素材にも適応しているため、用途に応じて幅広く使用することが可能です。このような多様なニーズに対応しつつ、高いコストパフォーマンスを実現しました。
- ※2露光像面と基板表面のずれを補正するため、露光時にウェハを載せた台(ステージ)を傾ける仕組みのこと
既存装置との優れた互換性
ニコンのi線露光装置を保有するお客様であれば、お持ちの資産(マスク、レシピ等)がご利用いただけ、既存装置との置き換えが容易です。
長期的な使用を意識した装置設計
部品の一部を特注品から市場で流通している汎用品に切り替えたことにより、従来よりも部品の手配が容易になり、長期間安心して使用することができます。
主な性能
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解像度 | ≦350 nm※3 |
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NA(開口数) | 0.45 |
光源 | i線(波長:365 nm) |
縮小倍率 | 1:5 |
最大露光領域 | 22 mm x 22 mm |
重ね合わせ精度 | SMO※4:≦70 nm※3 |
- ※3オプション適用時
- ※4SMO(Single Machine Overlay):同一号機間の重ね合わせ精度
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