日本初、乳歯歯髄幹細胞(SHED)マスターセルバンクの構築完了
2022年8月31日PRESS RELEASE/報道資料
株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、本社:東京都港区)の子会社、株式会社ニコン・セル・イノベーション(社長:中山 稔之、本社:東京都港区)が、キッズウェル・バイオ株式会社(社長:谷 匡治、東京都中央区、以下「キッズウェル・バイオ」)と協働し、製造および構築を進めていた乳歯歯髄幹細胞(SHED)※1マスターセルバンク(MCB)※2の最終品質確認試験を実施、全ての基準を達成しました。これにより、日本初※3の再生医療等製品向けSHED MCB構築が完了しました。
本件は、2018年1月にニコンとキッズウェル・バイオ(当時、株式会社セルテクノロジー)が締結した、歯髄細胞を原料とした再生医療等製品に用いるためのMCB構築に向けた業務提携契約に基づき推進してきたものです。
SHEDは、従来は廃棄されてきた乳歯から容易に採取できるうえ、増殖力が極めて高いことから、再生医療に利用可能な幹細胞として、有望視されています。キッズウェル・バイオでは、研究機関や製薬企業などと連携し、SHEDを活用した小児疾患、希少疾患、難病等に対する再生医療等製品の研究開発を推進しています。今回構築が完了したSHED MCBは、再生医療等製品の製造時に種細胞として用いられるもので、再生医療等製品の実用化および安定供給を支える重要な基盤です。
今後、キッズウェル・バイオは独自に、また、パートナー製薬企業と共にSHED MCBを原料とする世界初の再生医療等製品等の創出を目指し、ニコン・セル・イノベーションはSHED MCBの製造等を通じてキッズウェル・バイオ及びそのパートナー製薬企業を継続的に支援します。また、今後も、両社の持つ技術やノウハウなどのリソースを組み合わせ、SHEDによる再生医療等製品等の実用化に向けて協働していきます。
ニコンおよびニコン・セル・イノベーションは、日本における再生医療実用化の早期実現とともに、人々のQOL(Quality of Life)の向上に貢献していきます。
- ※1乳歯歯髄幹細胞(Stem Cells from Human Exfoliated Deciduous Teeth):脱乳歯の神経である、歯髄組織から採取される神経堤由来の幹細胞。
- ※2マスターセルバンク(MCB):すべての再生医療等製品製造用細胞の元になる種細胞を一定の培養条件下で最低限の継代数を経て増殖させ、複数のバイアルに分注したもの。
- ※32022年8月31日現在、両社調べ。
キッズウェル・バイオについて
キッズウェル・バイオは、「バイオで価値を創造する‐こども・家族・社会をつつむケアを目指して‐」を企業理念に掲げ、病気に苦しむ患者様、特に子供たちに、早期に革新的な治療薬・治療法を提供することを目的に日々研究開発活動に取り組んでいます。バイオシミラー事業における製品の上市実績に基づく収益を梃に、これまで培ってきたバイオ医薬品の研究開発技術及び事業化ノウハウの下、SHEDを活用した再生医療等製品開発を軸とした革新的な治療薬・治療法の創出を通じて社会へ貢献することを目指しています。
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