高速多光子共焦点レーザー顕微鏡システム「AX R MP」を発売

生体深部の高解像、広視野な画像の高速取得が可能

2021年12月1日PRESS RELEASE/報道資料

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高速多光子共焦点レーザー顕微鏡システム「AX R MP」
(多光子共焦点レーザー顕微鏡システム専用顕微鏡「AX-FNGP」に装着時)

株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区)の子会社、株式会社ニコンソリューションズ(社長:園田 晴久、東京都品川区)は、生体深部の高解像な広視野画像を高速に取得できる、高速多光子共焦点レーザー顕微鏡システム「AX R MP」を発売します。また、「AX R MP」専用で、視野周辺まで明るい観察が可能な、生物顕微鏡用水浸対物レンズ「CFI75 アポクロマート LWD 20XC W」を同時発売します。

発売概要

商品名 高速多光子共焦点レーザー顕微鏡システム「AX R MP」
発売時期 2022年春

開発の背景

近年、脳科学や免疫学などの研究分野では、生体組織や生体標本を顕微鏡で観察し、急速に変化する脳神経や血流などの生体反応に関する研究が進んでいます。多様な実験に対応し、標本の向きを変えずに、真横や斜めなどからも観察することへの高いニーズがあります。

これらに応えるため、ニコンは、赤外線超短パルスレーザー※1で標本をスキャンし、生体深部の構造を三次元で観察できる高速多光子共焦点レーザー顕微鏡システムを提供しています。
今回、高解像な広視野画像を高速に取得できる、高速多光子共焦点レーザー顕微鏡システム「AX R MP」を新たに開発。対物レンズの位置を上下に動かすなど高さ調節が可能な、多光子共焦点レーザー顕微鏡システム専用顕微鏡「AX-FNGP」「AX-FNSP」と組み合わせることで、対物レンズの下部に広い空間を設けて幅広い実験に対応し、さまざまな角度からの画像を取得できます。
生体深部の微細構造に関する多くの情報を効率的に取得し、生命現象の多様な研究をサポートします。

  • ※1数フェムト秒(1000兆分の1秒)から数ピコ秒(1兆分の1秒)のパルス幅をもつ赤外線レーザー。対象物への熱ダメージが少ないなどの特長をもつ。

主な特長

1. 高解像、広視野な画像を高速取得

「AX R MP」は、「AX R MP」専用で対物レンズの位置を上下に動かして標本までの高さ調節が可能な多光子共焦点レーザー顕微鏡システム専用顕微鏡「AX-FNGP」「AX-FNSP」や、研究用倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2-E」と組み合わせて使用します。
視野数※2 22mmの広視野で、高解像な2K×2K画像(2048×2048画素)を取得することができます。高速に画像を取得するレゾナントスキャナーを利用することで、急速に変化する生体反応を視野周辺まで高解像でとらえることが可能です。多くの情報を効率的に取得でき、生命現象の研究をサポートします。

  • ※2顕微鏡から取り出せる像の大きさ。
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マウスの手の血管と表皮の3Dイメージング
「AX R MP」専用の「CFI75 アポクロマート LWD 20XC W」(別売)を使用

2. 生体標本の観察や多様な実験ニーズに対応

「AX R MP」とあわせて用いる「AX-FNGP」と「AX-FNSP」の対物レンズの下部に、高さ40cmの空間を確保。広い実験スペース内で生体標本の挙動にともなう反応などを観察することができます。

「AX-FNGP」は、奥行きを必要とする実験に対応した門型支柱、「AX-FNSP」は、横幅が必要な実験向けの単支柱で、観察用途にあわせて選択が可能です。実験器具を設置する際の自由度を高め、多様化する実験に柔軟に対応します。

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対物レンズ下のスペースのイメージ
(「AX R MP」を装着した「AX-FNGP」(左)、「AX-FNSP」(右))

3. 対物レンズを可動させ、さまざまな角度からの観察を実現

「AX R MP」とあわせて用いる「AX-FNGP」と「AX-FNSP」は、新開発の「対物傾角ホルダー」(別売)を用いることで、対応する対物レンズ※3を垂直や水平に回転させ、角度を調節することが可能です。標本の向きを変えずに、さまざまな角度から観察することができるため、手間を軽減した効率的なワークフローを実現します。

  • ※3「CFI75アポクロマートLWD 20XC W」、「CFI75 アポクロマート 25XC W 1300」
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「対物傾角ホルダー」(別売)の可動域のイメージ

4. 生体深部の広視野観察が可能な対物レンズをラインナップ

紫外から近赤外波長域まで使用でき、色にじみが少なく高解像な対物レンズを豊富に揃え、実験目的に合わせた選択が可能です。「AX R MP」に最適な対物レンズと組み合わせることで、標本の表面から深部まで鮮明にとらえることができます。

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「AX R MP」対応の推奨対物レンズ(別売)
左端が「CFI75 アポクロマート LWD 20XC W」

主な仕様

横にスクロールしてご覧ください。

対応顕微鏡 多光子共焦点レーザー顕微鏡システム専用顕微鏡「AX-FNGP」(門型支柱)
多光子共焦点レーザー顕微鏡システム専用顕微鏡「AX-FNSP」(単支柱)
  • 「AX-FNGP」「AX-FNSP」は、「AX R MP」専用です。
研究用倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2-E」
  • 「ECLIPSE Ti2-E」は、門型支柱、単支柱、対物傾角ホルダーには非対応です。
高速画像取得 FOV 22mm
レゾナントスキャナー
最大 2048×2048 画素
最速毎秒 720 フレーム (512×16画素)
毎秒 30フレーム (512×512画素)
対物傾角ホルダー(別売) 【回転】
手動 水平±100°
手動 垂直±90°
【Z粗動】
手動 ±3mm
推奨対物レンズ(別売) CFI75アポクロマートLWD 20XC W (NA: 1.00, WD: 2.80 mm)
CFI90 20XC Glyc (NA: 1.00, WD: 8.20 mm)
CFI75 アポクロマート 25XC W 1300 (NA: 1.10, WD: 2.00 mm)
CFI アポクロマート Lambda S 40XC WI (NA: 1.25, WD: 0.18 mm)
CFI プランアポクロマート 10XC Glyc (NA: 0.50, WD: 5.50 mm)
CFI アポクロマート LWD Lambda S 20XC WI (NA: 0.95, WD: 0.95 mm)

こちらに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。販売が既に終了している製品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

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