ソフトバンクとニコン、360度追尾可能な「トラッキング光無線通信技術」の実証に世界で初めて成功
~2台の通信機がAIを活用して移動しながらお互いをトラッキングし、光無線通信が途切れないことを確認~
2021年3月18日PRESS RELEASE/報道資料
ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮内 謙、以下「ソフトバンク」)と株式会社ニコン(本社:東京都港区、代表取締役 兼 社長執行役員:馬立 稔和、以下「ニコン」)は、光無線通信技術の新たな利用シーンの創出を目的として、AI(人工知能)技術、画像処理技術、精密制御技術を活用することで2台の通信機が双方向で360度追尾可能な「トラッキング光無線通信技術」の合同実証を行い、2020年12月に世界で初めて※成功しました。
光無線通信は電波障害に強く秘匿性が高いという特長がある一方で、光の直進性という性質から動く物同士の通信への適用は難しいとされてきました。今回実証に成功した技術によってその動く物同士の通信が可能となることで、将来的には車車間通信や路車間通信、無人搬送車などの産業用ロボットやドローンとの通信、電波が通らない水中での無線通信といった領域で新たな市場創出が期待されます。
- ※2021年3月18日時点(両社調べ)。2台の光無線通信機が同時にそれぞれ任意の方向へ移動しながら相手を追尾し、通信が途切れないことを確認する実証実験として世界初。
1. 背景
これまで電波通信では高速・大容量化を追求するため、波長の長い電波から波長の短い電波へと活用が進んできました。5Gに至っては、従来レーダーなどの限定された用途で利用されてきた、波長が極めて短く光に近い性質を持つミリ波の活用が進んでいます。さらに、今後到来する6G以降の世界では、ミリ波よりも波長が短く、ミリ波と同様に用途が限定されていた“光”の活用も期待されています。しかし、光は電波よりも極めて直進性が高く、電波と異なり水中は透過するが物体は透過しないという性質を持つため、光の活用には見通し(LOS:Line of Sight)の確保と通信機同士の双方向トラッキング技術が必須となります。
そこでソフトバンクとニコンは、培ってきた技術を活用して光無線通信機同士が双方向にトラッキングし、途切れることなく通信可能な技術の検討を進めてきました。
2. 取り組み概要
AI技術、画像処理技術、精密制御技術を駆使して水平方向360度、垂直方向50度の追尾性能を持つトラッキング光無線通信機を開発しました。2台の通信機が互いに捕捉することで光軸を合わせ、通信機それぞれが移動しても途切れずにデータ通信する実証に成功しました。
3. 今後の展望
今回の実証では街中での活用を見据え、安全なLED光無線通信機(通信距離:100m,通信速度:100Mbps)での実証を行いましたが、今後、高出力なレーザー光を用いることによる長距離化や高速化、小型化により、車車間通信や路車間通信、無人搬送車などの産業用ロボットやドローンとの通信、電波が通らない水中での無線通信といった、より専門性の高い領域で新たな市場創出が期待されます。ソフトバンクとニコンは、このような新領域の市場創出実現に向け、引き続き研究開発および実証を進めていきます。
<本件に関する企業・団体のお客さまからの問い合わせ先>
ソフトバンク | GRP-FSO@g.softbank.co.jp(2021年3月24日変更) |
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ニコン | Nikon.Ngpd@nikon.com |
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