超解像顕微鏡「N-SIM S」を発売
従来の約10倍の速さで、ライブセルの超解像画像を取得
2018年3月19日PRESS RELEASE/報道資料
株式会社ニコン(社長:牛田 一雄、東京都港区)の子会社、株式会社ニコンインステック(社長:木村 高、東京都港区)は、撮像速度を従来の約10倍に高め、ライブセルの素早い動きを超解像で高速にとらえる超解像顕微鏡「N-SIM S」を発売します。「N-SIM S」は、研究用倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2-E」をプラットホームにした、光学顕微鏡システムとして活用できます。
なお、本製品は光学顕微鏡の最先端技術学会「Focus On Microscopy」(3月25日~28日、於:シンガポール)に出展します。
発売概要
商品名 | 超解像顕微鏡「N-SIM S」 |
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価格(税別) | 64,000,000円~ |
発売時期 | 2018年4月1日予定 |
開発の背景
一般的な光学顕微鏡における解像度の限界は、約200nmといわれています。ニコンは、この限界を超え、従来の約2倍にあたる高い解像度での観察を可能にする超解像顕微鏡「N-SIM」を2010年に発売し、それまで見ることのできなかった細胞内小器官の構造など、高分解能の観察が必要とされるさまざまな研究分野の発展に貢献してきました。
このたび、従来の「N-SIM」と比較して、より高速な画像取得を実現した超解像顕微鏡「N-SIM S」を開発しました。ライブセルの微細構造の動きをより鮮明に観察できる次世代の超解像イメージングによって、最先端研究をサポートします。
主な特長
1. 約0.067秒/枚の高速な画像取得を実現
高速駆動デバイスを使用した照明装置を新たに開発。撮像速度を従来の1.6fpsから、約10倍の15fpsに向上させ、1枚あたり約0.067秒という速さで高解像画像の取得を可能にしました。これにより、活発に動く細胞内小器官などのようすもしっかりとらえて観察することができます。
2. 優れた操作環境を構築
観察方法を変更する際、照明装置を手動で操作、変更するなどのユーザーの作業負荷を極力減らし、ソフトウエアにより自動的に設定できるシステムを構築しました。多様な観察方法を手軽にセットでき、作業効率向上に貢献します。
3. 安定的な環境で画像を取得
超解像イメージングでの使用を前提に開発した、研究用倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2-E」をプラットホームにすることで、長時間の観察でも振動によるブレがなく安定的な環境で画像が取得できます。
4. 高い拡張性を保有
広い視野での観察が可能な共焦点レーザー顕微鏡システム「A1+」や光学顕微鏡の約10倍の分解能を持つ超解像顕微鏡「N-STORM」など多彩な観察方法との組み合わせを可能にしました。大学や研究施設における共通機器として、幅広い研究目的に応じて使用できます。また、画像統合ソフトウエア「NIS-Elements」と組み合わせることで、画像の取得から画像処理まで1つのソフトウエアで制御する効率の良いシステムを提供します。
「N-SIM S」で撮像した超解像顕微鏡画像例
作例1:NG108細胞の葉状仮足
作例ご提供:国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)バイオメディカル研究部門
石山静葉先生・加藤薫先生
作例2:豚の腎上皮由来の培養細胞
作例ご提供:国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)バイオメディカル研究部門
加藤薫先生
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