再生医療用細胞の品質確保へ向けた「スマート・セル・プロセシング」プロジェクトへの参画について
2017年3月23日PRESS RELEASE/報道資料
株式会社ニコン(社長:牛田 一雄、東京都港区)は、東京エレクトロン株式会社 (社長:河合 利樹氏、本社:東京都港区)が日英の産学官機関と共同で進める「スマート・セル・プロセシング」プロジェクト(以下、本プロジェクト)に参画、臨床レベルの再生医療用細胞の品質を実現する、幹細胞の自動培養・検査プロセス(スマート・セル・プロセシング)確立へ向けた細胞品質評価技術を提供します。
「スマート・セル・プロセシング」は、細胞培養・検査装置といったハードウエア・ソリューション、ソフトウエア・アルゴリズム、細胞品質解析手法などで構成され、ニコンは東京エレクトロンおよび本プロジェクトの技術パートナー企業である島津製作所、シンフォニアテクノロジー、横河ソリューションサービスなどの各社と連携を開始します。「スマート・セル・プロセシング」は、日英間の産官学連携の共同開発であり、細胞品質を確保する管理の枠組み(フレームワーク)と品質の判定のための共有データベースを備えた体制の構築を目指すものです。
現在、再生医療用製品の生産は特定の作業者の手作業によって行われていますが、今後の産業化のために、製品を安全・安心・安価に提供するための細胞生産システムの構築が期待されています。
ニコンは、2007年に細胞培養観察装置「BioStation CT」を発売以来、長期間の安定した細胞観察、形態による細胞品質評価と幹細胞の各培養工程における品質評価の技術構築を行ってきました。今回、この細胞品質評価技術を本プロジェクトに提供し、非侵襲的に培養中の細胞の状態を評価することで高精度の細胞品質管理を可能とします。
「スマート・セル・プロセシング」はオープンイノベーションを用いた半導体業界の各種ノウハウと、ニコンの光学技術、画像解析技術の融合により、将来、「スマート・セル・プロセシング」を完全自動化された細胞生産施設(スマート・セル・ファクトリー)へと発展させ、臨床レベルで標準化されたiPS/ES細胞や分化細胞などの安全かつ経済的な生産を実現することを目指します。本プロジェクトの取り組み内容については、2017年6月にボストンで開催される国際幹細胞学会ISSCR(International Society for Stem Cell Research)2017にて発表する予定です。
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