生物顕微鏡用対物レンズ「CFI プランアポクロマート 10XC Glyc」を発売
脳神経メカニズムの解明に威力を発揮
2016年11月9日PRESS RELEASE/報道資料
株式会社ニコン(社長:牛田 一雄、東京都港区)の子会社、株式会社ニコンインステック(社長:木村 高、東京都港区)は、脳神経研究分野から要望の高かった透明化技術※に対応した生物顕微鏡用対物レンズ「CFI プランアポクロマート10XC Glyc」を発売します。幅広い波長帯域での高い透過率、色収差補正を実現した対物レンズです。
なお、本製品は、「Neuroscience 2016 - Society for Neuroscience(北米神経科学会議)」(11月12日~16日、於:米国 サンディエゴ)に出展します。
- ※標本内部における光の散乱を低減させる技術。
発売概要
商品名 | 生物顕微鏡用対物レンズ「CFI プランアポクロマート10XC Glyc」 |
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価格(税別) | 1,100,000円 |
発売時期 | 2016年11月末 |
開発の背景
バイオサイエンス分野では、多光子顕微鏡技術の発展により、生体組織の深部や透明化処理を施した脳や臓器の標本を観察するニーズが高まっています。このような要求が高まる中、ニコンは深部観察のみならず、効率の良い広視野観察を行うことが可能な対物レンズ「CFI プランアポクロマート10XC Glyc」を開発しました。
主な特長
1. 様々な屈折率の浸液に対応
浸液の違いで生じる球面収差の補正機能搭載により、対物レンズを変えることなく屈折率対応範囲1.33-1.51を達成しています。これにより、通常顕微鏡観察に使われる水、イマージョンオイル、グリセリンの他、脳神経研究分野で広く用いられる、各種の標本透明化技術に対応しています。
2. 紫外域から近赤外域において高い透過率を実現
ニコン独自の成膜技術「ナノクリスタルコート」を採用することにより、紫外線から近赤外線の広帯域において、高い透過率を実現しました。
3. 広い波長帯域での色収差補正を実現
405nm~1064nm付近まで広い波長帯域での色収差補正を達成しています。これにより、多光子顕微鏡観察を中心とした赤外線を用いた顕微鏡技術にも対応しています。
主な仕様
横にスクロールしてご覧ください。
型式 | CFI プランアポクロマート10XC Glyc |
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倍率 | 10X |
開口数(NA) | 0.5 |
作動距離(WD) | 5.5mm |
同焦点 | 60mm |
補正環 | 有(浸液屈折率補正) |
浸液屈折率補正範囲 | 1.33~1.51 |
カバーグラス厚対応範囲 | 0~0.17mm |
「CFI プランアポクロマート10XC Glyc」を使用した画像例
多光子顕微鏡A1RMP+、CFI プランアポクロマート10XC Glycを使用しスティッチング画像撮影
撮影ご協力:北海道大学電子科学研究所 光細胞生理研究分野 川上良介先生、根本知己先生
- ※黄色蛍光タンパク質(YFP)で標識した形質転換マウス(YFP-Hライン)から全脳を取り出し、透明化処理。
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