レンズ交換式カメラ用の「NIKKOR」レンズ、累計生産本数1億本を達成
2016年7月27日PRESS RELEASE/報道資料
株式会社ニコン(社長:牛田 一雄、東京都港区)のレンズ交換式カメラ用の「NIKKOR(ニッコール)」レンズの累計生産本数が、2016年6月に1億本※を達成しました。
- ※ニコン一眼レフカメラ用およびレンズ交換式アドバンストカメラ「Nikon 1」用の交換レンズの累計生産本数
「NIKKOR」ブランドについて
「NIKKOR」は、ニコンの写真用レンズのブランドです。「NIKKOR」という名称は、ニコン創業時の社名「日本光学工業株式会社」の略称であった「日光」の英文表記「NIKKO」に、当時、写真レンズの名称の末尾によく使われていた「R」がつけられ誕生しました。そして、1932年に「NIKKOR」の商標登録を行い、1933年に航空写真用レンズを「Aero-Nikkor(エアロニッコール)」と名付けて販売しました。
その後、1959年に一眼レフカメラ「ニコンF」を発売し、この「ニコンF」と同時に発売された「NIKKOR-S Auto 5cm f/2」などが、最初のニコン一眼レフカメラ用「NIKKOR」レンズです。
現在、「NIKKOR」レンズは、超広角から超望遠までをカバーする単焦点レンズやズームレンズのほか、フィッシュアイ、マイクロレンズ、PC-Eレンズとさまざまな用途に対応した幅広いラインナップを取りそろえており、レンズ交換式アドバンストカメラ用レンズ「1 NIKKOR」を含めると90種類以上をラインナップしています。
「NIKKOR」レンズは、開発・設計から生産・検査まで、ニコン独自の高い品質基準によって管理が行われており、それが「NIKKOR」レンズの高い品質を支えています。
「NIKKOR」レンズとともに半世紀以上を歩む「ニコンFマウント」
1959年に発売したニコン初の一眼レフカメラ「ニコンF」以来、半世紀以上、ニコン一眼レフカメラおよびその交換レンズに採用されているレンズマウントが「ニコンFマウント」です。「ニコンFマウント」は1959年の発売当時からバヨネット方式を採用し、耐久性、耐蝕(たいしょく)性に優れたステンレス素材を使用。また、レンズの大口径化を見越していました。絞り制御、オートフォーカスなど各時代の先端技術を採用しながら、最新のデジタル一眼レフカメラおよびその交換レンズに「ニコンFマウント」が受け継がれています。
収差計測装置「OPTIA」の活用
ニコンでは、最新の光学技術の開発に加えて、光学性能評価方法の研究開発も進めてきました。半導体露光装置用に開発した収差※1計測手法を発展させ、カメラ用交換レンズの全ての収差を測定できる計測装置「OPTIA※2」と専用の画像シミュレータを開発し、2013年から運用を開始。現在も、「NIKKOR」レンズの性能評価および検証に活用しています。
カメラ用交換レンズには、「解像力」以外に、「ボケ味(あじ)」「質感」「奥行き感」などと表現される、さまざまな特性(「レンズの味」などと呼ばれます)があります。「OPTIA」によって、より正確に収差を測定することができ、さらに、「OPTIA」と同時に開発した専用の画像シミュレータによって、レンズを試作して実写することと同等のシミュレーションが設計段階で可能になるため、「解像力」だけでなく「レンズの味」といわれるさまざまな特性をコントロールしたレンズの開発を実現しました。
この「OPTIA」を使用して設計を行ったレンズのひとつが、本日発表した「AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED」です。この製品は、“三次元の被写体を、写真という二次元のフィールドに、より自然な像として再現する”という、ニコンが理想とする設計思想「三次元的ハイファイ(高再現性)」を高いレベルで実現。ピント面からなだらかに変化する美しいボケによって、画面に自然な奥行き感を持たせながら、被写体を印象的に描写することが可能です。
- ※1レンズなどの光学系によって像をつくる場合に、光を光線の集合とみなして、物体の1点から出た多数の光線が像面で1点に収束しないことを収差といい、像の「にじみ」や「ボケ」の原因になります。また、物体と像の相似関係が狂う現象も収差のひとつです。
- ※2Optical Performance and Total Image Analyzer
ニコンは来年2017年に創立100周年を迎えます。今後も、テクノロジーのさらなる追求と厳しい品質管理のもと、お客さまの期待を超える製品、サービスを提供するべく、開発に取り組んでいきます。
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