ニコン ArF液浸スキャナー「NSR-S631E」を発売
マルチプルパターニング対応、超高精度・高スループット液浸露光装置
2016年2月18日PRESS RELEASE/報道資料
株式会社ニコン(社長:牛田 一雄、東京都港区)は、最新型 ArF液浸スキャナー「NSR-S631E」の販売を開始しました。本製品は、NSR-S630D同様に高い精度と生産性で定評のあるストリームラインプラットフォームを採用し、7ナノメートルノードプロセスの半導体量産用(マルチプルパターニング※対応)として開発された露光装置です。マルチプルパターニングプロセスにおいて最も重要となる重ね合わせ精度を向上させたことにより、お客様の安定的量産のニーズに応えます。
- ※マルチプルパターニング:1つの回路パターンを、現行の液浸露光機で転写できる2つ以上の密集度の低いパターンに分割露光し、これらのパターンを組み合わせて、最終的に密集度を高めることを可能とする手法。
商品概要
商品名 | ArF液浸スキャナー「NSR-S631E」 |
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販売開始時期 | 2016年1月より |
開発の背景
半導体の高集積化・微細化の進展に伴い、現在の最先端の半導体は、10ナノメートルノードプロセスの量産、及び、7ナノメートルノードプロセスの開発へと移行しています。リソグラフィにおける回路パターンの微細化には、引き続きArF液浸露光装置によるマルチプルパターニング技術が必要であり、露光装置にはより高い重ね合わせ精度と高生産性が要求されています。
NSR-S631Eは、新型投影レンズ、アライメントシステムのマーク検出・計測能力の強化によりMMO※ 2.3ナノメートル以下、スループット毎時270枚以上(96 shots)(オプション対応)の生産性を実現します。
- ※MMO(Mix and Match Overlay):同一機種間の重ね合わせ精度
主な特長
1. ストリームラインプラットフォームを搭載
- 重ね合わせ精度の大幅な向上を実現する計測システム:「バーズアイ・コントロール(Bird's Eye Control)」
ウェハステージ位置計測へのエンコーダと干渉計を組み合わせたハイブリッドシステムに加え、レチクルステージ位置計測にも二次元エンコーダを採用することで、各ステージの位置計測の空気揺らぎの影響を低減。高い重ね合わせ精度を実現しています。
- スループットの大幅な向上を実現する計測技術:「ストリームアライメント(Stream Alignment)」
5眼FIA※(Field Image Alignment)により、短時間でのアライメント計測が可能。全ショットに近い多点計測時でもスループットの低下を最小限に抑えます。
- メンテナンス性向上のためのモジュール構造:「モジュラースクエアード・ストラクチャー(Modular2 Structure)」
装置構成を階層的なモジュール構造とすることにより、お客様先での立ち上げ時間を短縮すると共に部品交換も容易にしました。その結果、メンテナンス性が大幅に向上しました。
- ※5眼FIA:アライメント顕微鏡を従来の1眼タイプから5連装タイプへ改良したFIA。
2. オンプロダクト性能の向上
本製品で搭載した新型投影レンズにおいては、収差補正機能をさらに強化することにより、結像性能のより高い安定性を実現しました。
また、新規設計の計測光学系の導入により、実プロセスでのアライメント・フォーカス精度を向上しました。
主な性能
横にスクロールしてご覧ください。
解像度 | 38 nm以下 |
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NA(開口数) | 1.35 |
光源 | ArFエキシマレーザー (波長:193 nm) |
縮小倍率 | 1/4倍 |
最大露光領域 | 26 x 33 mm |
重ね合わせ精度(M + 3σ) SMO※1 | 1.7 nm以下 |
重ね合わせ精度(M + 3σ) MMO※2 | 2.3 nm以下 |
スループット 300mmウェハ毎時(96 shots) |
250枚以上 270枚以上(オプション) |
- ※1SMO(Single Machine Overlay):同一号機間の重ね合わせ精度(例 S631E#1 to S631E#1)
- ※2MMO(Mix and Match Overlay):同一機種間の重ね合わせ精度(例 S631E#1 to S631E#2)
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