ニコン ArF液浸スキャナー「NSR-S630D」の受注開始
重ね合わせ精度と生産性を向上させた超高精度・超高スループット液浸露光装置
2014年2月20日PRESS RELEASE/報道資料
株式会社ニコン(社長:木村 眞琴、東京都千代田区)は、最新型 ArF液浸スキャナー「NSR-S630D」の受注を開始します。この新型露光装置は、高い精度と生産性で定評のあるストリームラインプラットフォームを採用したNSR-S622Dの精度と生産性をさらに向上させ、10ナノメートル台のプロセス量産用(マルチプルパターニング※1適応)に開発された装置です。マルチプルパターニングプロセスにおいて重要となる重ね合わせ精度のさらなる向上に加え、スループットの向上も実現しました。これによりお客様の安定的量産のニーズに応えます。
- ※1マルチプルパターニング:
1つの回路パターンを、現行の液浸露光機で転写できる2つ以上の密集度の低いパターンに分割露光し、これらのパターンを組み合わせて、最終的に密集度を高めることを可能とする手法。
商品概要
商品名 | ArF液浸スキャナー「NSR-S630D」 |
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受注開始時期 | 2014年4月より |
開発の背景
IT革命の根幹を担う半導体の高集積化・微細化が進み、10ナノメートルノードプロセスの量産及び7ナノメートルノードの開発へ移行しつつあります。リソグラフィにおける回路パターンの微細化には、引き続きArF液浸露光装置によるマルチプルパターニング技術が有力とされており、露光装置には高い重ね合わせ精度と高スループットが求められます。
NSR-S630Dは、投影レンズ性能の向上とレチクルステージ位置計測のエンコーダ化、温空調システムの改良により、MMO※2のさらなる向上と同時に高スループットも実現しました。これにより、MMO 2.5ナノメートル以下でスループット毎時250枚以上(96 shots)という極めて高い精度と生産性を実現し、お客様の最先端デバイス生産ラインの安定量産に貢献します。
- ※2MMO(Mix and Match Overlay):同一機種間の重ね合わせ精度
ストリームラインプラットフォームの主な特長
1. 重ね合わせ精度の大幅な向上を実現する計測システム:バーズアイ・コントロール(Bird's Eye Control)
既に採用しているウエハステージ位置計測へのエンコーダと干渉計を組み合わせたハイブリッドシステムに加え、レチクルステージ位置計測にも二次元エンコーダを採用することで、各ステージの位置計測の空気揺らぎの影響を低減。これにより、重ね合わせ精度を大きく向上させました。
2. スループットの大幅な向上を実現する新計測技術:ストリームアライメント(Stream Alignment)
FIA(Field Image Alignment)の5眼化※3により、短時間でのアライメント計測を可能にしました。全ショットに近い多点計測時でもスループットの低下を最小限に抑えます。
- ※3FIAの5眼化:アライメント顕微鏡を従来の1眼タイプから5眼化(5連装タイプ)にしたこと。
3. メンテナンス性向上のための新モジュール構造:モジュラースクエアード・ストラクチャー(Modular2 Structure)
装置構成を階層的なモジュール構造とすることにより、お客様先での立ち上げ時間を短縮すると共に部品交換も容易にしました。その結果、メンテナンス性が大幅に向上しました。
NSR-S630Dの主な性能
横にスクロールしてご覧ください。
解像度 | 38 nm以下 |
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NA(開口数) | 1.35 |
光源 | ArFエキシマレーザー(波長:193 nm) |
縮小倍率 | 1/4倍 |
最大露光領域 | 26×33 mm |
重ね合わせ精度(M+3 σ) ※ SMO | 1.7 nm以下 |
重ね合わせ精度(M+3 σ) ※ MMO | 2.5 nm以下 |
スループット (300 mmウェハ毎時)96 shots | 250枚以上 |
- ※SMO(Single Machine Overlay):同一号機間の重ね合わせ精度(例 S630D#1 to S630D#1)
- ※MMO(Mix and Match Overlay):同一機種間の重ね合わせ精度(例 S630D#1 to S630D#2)
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