太陽熱によるマグネシウム還元の実用化に向けた実証実験を、2014年3月に開始

2014年2月24日PRESS RELEASE/報道資料

株式会社ニコン(社長:木村 眞琴、東京都千代田区)は、JRグループの公益財団法人である、鉄道総合技術研究所の旧リニア実験施設(宮崎県 日向市 美々津町)において、太陽熱を利用したマグネシウム還元の実用化に向けた実証実験を、2014年3月から開始します。

当社は、小濱泰昭 東北大学名誉教授が提唱するマグネシウム循環社会構想に賛同し、支援を続けてきました。 マグネシウム循環社会構想では、マグネシウム合金をエネルギーキャリアとして使用し※1、使用により変化したマグネシウムの水酸化物や酸化物を太陽熱と還元剤で金属マグネシウムに還元し、添加物によってマグネシウム合金に戻して再利用するものです。

  • ※1負極にマグネシウム合金、電解液に食塩水を使用する、マグネシウム電池を想定しています。マグネシウム電池は、電解液を注入しなければ長期間の保存ができ、また電解液には海水も使用可能です。災害時の情報端末や医療機器の電源、一般家庭の防災用品などの用途が期待されています。

当社は2013年の春から小濱教授(当時)と共同で、東北大学が同実験施設に所有する直径1.5mの太陽炉※2を用いたマグネシウム還元実験を行ってきましたが、今回、新たに直径3mの太陽炉を製作して同実験施設に設置し、当社の技術者を常駐させて、実用化の加速に取り組みます。

  • ※2太陽光を大きな放物面鏡などで集光し、高温を得る装置。

太陽光の熱エネルギーによって、水酸化物や酸化物などのマグネシウム化合物を金属マグネシウムに還元できることはすでに実証できており、今後はその生産性とコストの課題を克服するために、太陽炉の性能向上を図るとともに、マグネシウム還元反応の高効率化開発を加速させます。

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