バイオイメージング分野の様々な先端研究をサポートする「レーザーアプリケーションシステム Ti-LAPP」を発売
2013年11月11日PRESS RELEASE/報道資料
株式会社ニコン(社長:木村 眞琴、東京都千代田区)は、研究用倒立顕微鏡「ECLIPSE Tiシリーズ」向けに、様々な蛍光照明モジュールを任意に組み合わせることができる「レーザーアプリケーションシステム Ti-LAPP」を発売します。
なお、本製品は「The 43rd annual meeting of the Society for Neuroscience(第43回米国神経科学学会)」(11月9日~13日、於:米国サンディエゴ)に出展します。
発売概要
商品名 | 「レーザーアプリケーションシステム Ti-LAPP」 |
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価格 | H-TIRFモジュールセット:税別 3,174,000円~ DMDモジュールセット:税別 6,844,000円~ H-TIRFモジュール+DMDモジュールセット:税別 8,718,000円~ (価格は仕様により異なります。倒立顕微鏡および光源部は含みません。) |
発売予定 | 2014年4月(「2014年2月」を変更しました。2013年12月16日変更) |
発売のねらい
バイオイメージング分野では全反射蛍光※1観察ができる顕微鏡の登場以来、生細胞を用いた細胞膜の研究や一分子蛍光観察が盛んに行なわれるようになりました。また、光刺激※2により細胞内のタンパク質の移動や、光感受性タンパク質を用いた神経細胞ネットワークの観察なども行なわれています。このように、細胞の複雑な機能を解明するための観察手法は多様化、複雑化しています。
「レーザーアプリケーションシステム Ti-LAPP」は顕微鏡を使用した落射蛍光※3観察、全反射蛍光観察、光刺激それぞれの機能をモジュール化しました。これにより、研究用倒立顕微鏡「ECLIPSE Tiシリーズ」に各モジュールを任意に組み合わせることで、多様な観察手法に対応できます。用途に応じた顕微鏡機能の変更や追加を容易にすることで、倒立顕微鏡を用いた最先端の研究をサポートします。
- ※1全反射蛍光(TIRF:Total Internal Reflection Fluorescence):全反射現象によって生じるエバネッセント光により、カバーガラス近傍の薄い領域(50-200nm)の蛍光物質のみを励起させ、観察する方法。
- ※2光刺激:生細胞に光を照射し、蛍光物質や細胞そのものに変化を起こし、蛍光強度や波長、細胞の活動変化を観察する方法。
- ※3落射蛍光:観察と同じ方向から励起光を照射し、標本で発生した蛍光を観察する方法。
主な特長
1. 高い自由度、拡張性
モジュールを自由に組み合わせることで、希望の仕様にカスタマイズすることができます。例えば、光刺激装置「DMDモジュール」、TIRF照明装置「H-TIRFモジュール」、蛍光照明装置「EPI FLモジュ-ル」の3つを組み合わせることで、落射蛍光観察や全反射蛍光観察をしながら光刺激を行なうことが可能です。
また、研究用倒立顕微鏡「ECLIPSE Tiシリーズ」の階層構造を活用すれば、1台の顕微鏡で実現できる観察手法はさらに広がります。これらのモジュールは組み換え、追加が可能であり、ユーザーの研究段階に応じてシステムを変更することもできます。
2. 全反射蛍光観察を容易にする自動調整機能
TIRF照明装置「H-TIRFモジュール」は、画像統合ソフトウェア「NIS-Elements」(別売)の使用により、標本に対するレーザー入射角度やエバネッセント光の染み出し深さの条件を自動で調整することができます。また、これらの設定条件の個別調整や保存、呼び出しなどができるため、任意の観察をスムーズに行なうことができます。
3. 多様な光刺激パターンが可能
光刺激装置「DMDモジュール」は、画像統合ソフトウェア「NIS-Elements」(別売)を使用することで、複雑な細胞の形や蛍光タンパク質が局在する位置に合わせて任意の位置・範囲で同時に多点への光刺激を行なうことが可能です。
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