ニコン ArF液浸スキャナー「NSR-S622D」を発売
重ね合わせ精度を向上させた超高精度・超高スループット液浸露光装置
2013年2月20日PRESS RELEASE/報道資料
株式会社ニコン(社長:木村 眞琴、東京都千代田区)は、最新型 ArF液浸スキャナー「NSR-S622D」の販売を開始しました。 この新型露光装置は、高い精度と生産性で定評のあるストリームラインプラットフォームを採用したNSR-S621Dの精度をさらに向上させ、20ナノメートル以下のプロセス量産用(マルチプルパターニング適応※1)に開発された装置です。特にマルチプルパターニングプロセスにおいて重要となる MMO※2(Mix and Match Overlay:装置間重ね合わせ精度)を大きく向上させ、お客様の安定的量産のニーズに応えます。
- ※1マルチプルパターニング:1つの回路パターンを、現行の液浸露光機で転写できる2つ以上の密集度の低いパターンに分割露光し、これらのパターンを組み合わせて、最終的に密集度を高めることを可能とする手法。
- ※2MMO (Mix and Match Overlay): 同一機種間の重ね合わせ精度
概要
商品名 | ArF液浸スキャナー「NSR-S622D」 |
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販売開始時期 | 2013年2月より |
開発の背景
IT革命の根幹を担う半導体の高集積化・微細化が進み、20ナノメートル以下のプロセスのデバイス開発・生産への移行が進みつつあります。リソグラフィにおいては、今後も回路パターンの微細化には、ArF液浸露光装置によるマルチプルパターニング技術が有力とされており、露光装置には高い重ね合わせ精度と高スループットが求められます。
NSR-S622Dは、NSR-S621Dの高スループットを維持しつつ、投影レンズ性能向上とオートフォーカス機構を改良することにより、MMO(Mix and Match Overlay:装置間重ね合わせ精度)の向上を実現しました。これにより、スループット毎時200枚以上でMMO 3.5ナノメートル以下という極めて高い精度と生産性を実現し、お客様の最先端デバイス生産ラインの安定量産に貢献します。
ストリームラインプラットフォームの主な特長
1. 重ね合わせ精度の大幅な向上を実現する新干渉計システム:バーズアイ・コントロール(Bird's Eye Control)
エンコーダと従来の干渉計計測とのハイブリッドなシステムを構成し、空気揺らぎの影響を受けずにステージの位置を計測することにより、重ね合わせ精度を大きく向上させました。
2. スループットの大幅な向上を実現する新計測技術:ストリームアライメント(Stream Alignment)
FIA(Field Image Alignment)の5眼化※3 により、短時間でのアライメント計測を可能にしました。全ショットに近い多点計測時でもスループットの低下を最小限に抑えます。
- ※3FIAの5眼化:アライメント顕微鏡を従来の1眼タイプから5眼化(5連装タイプ)にしたこと。
3. メンテナンス性向上のための新モジュール構造:モジュラースクエアード・ストラクチャー(Modular2 Structure)
装置構成を階層的なモジュール構造とすることにより、お客様先での立ち上げ時間を短縮すると共に部品交換も容易にしました。そのため、メンテナンス性が大幅に向上しました。
主な性能
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解像度 | 38nm以下 |
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NA(開口数) | 1.35 |
光源 | ArFエキシマレーザー(波長:193nm) |
縮小倍率 | 1/4倍 |
最大露光領域 | 26x33mm |
重ね合わせ精度(M+3σ) ※SMO | 2nm以下 |
重ね合わせ精度(M+3σ) ※MMO | 3.5nm以下 |
スループット(300mmウェハ毎時)125shots | 200枚以上 |
- ※SMO (Single Machine Overlay) : 同一号機間の重ね合わせ精度 (S622D#1 to S622D#1)
- ※MMO (Mix and Match Overlay) : 同一機種間の重ね合わせ精度 (S622D#1 to S622D#2)
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