ニコンとA*STAR Institute of Microelectronicsの共同研究機関立ち上げに向けた最先端リソグラフィーにおける技術協力について
2012年12月20日PRESS RELEASE/報道資料
株式会社ニコン(社長:木村眞琴 東京都千代田区)とシンガポール科学技術研究庁A*STARの先端的半導体研究機関であるInstitute of Microelectronics(代表者:Lim Chuan Poh, Singapore、以下IME)は、このたび、半導体の生産で用いられる最先端光リソグラフィー技術における協力関係を構築することを発表しました。この協力は共同の研究機関を今後両者で立ち上げることも含むものです。
ニコンとIMEはArFドライ及び液浸リソグラフィー技術の20 nm以下のプロセスへの延伸を加速するために、マルチプルパターニングやdirect self assembly(DSA:誘導自己組織化)等の技術において協力していきます。これらの技術はロジック、高密度メモリ、埋め込み型不揮発メモリ、超高速エレクトロニクス、ナノフォトニクス、ナノエレクトロメカニクスを含む先端的な製品への適用が期待されています。
ニコンにとってこの協力は、シンガポールにおいて新たな戦略的可能性をもたらすものです。今回の協力関係構築により、ニコンはIMEの持つ先進的な研究開発施設、プロセス技術、人材を活用することが可能となり、次世代露光装置に関する早期の知見を得て製品開発期間を短縮することが期待されます。両者の協力はニコンが将来のデバイス製造プロセスに求められる技術を理解し、ArF液浸技術をさらに延伸する機会を広げるものと言えます。
IMEにとってもこの協力は、さらなる微細化のための製造や装置・材料等に対する先端技術の向上をもたらし、IMEの産業界のパートナー、研究機関、大学等との提携・協力を強化・拡大する可能性をもたらすものです。共同研究機関は、シンガポールの主要な企業とのパートナーシップを通じて先端的研究開発のためのイノベーションを創出するIMEの開発・育成システムを実証するものです。
(株)ニコン取締役兼専務執行役員 精機カンパニープレジデント 牛田 一雄のコメント
「IMEとの協力を通して、ニコンは将来のプロセスに関する技術およびトータルソリューションについての知見を得ることが出来ます。これは私たちの露光装置開発にとって大変重要なことです。また、アジア地域における最も先進的かつ安定的な研究機関と協力関係を築けることを大変うれしく思います。」
IME Executive Director Prof. Dim-Lee Kwongのコメント
「この共同研究機関は、将来の技術ノードに向けたIMEとニコンの研究開発におけるシナジー効果を発揮するものであり、シンガポールにおける先端半導体の開発にとって重要なマイルストーンとなるでしょう。ニコンは、IMEがこの産業に求められる研究開発能力を強化・拡大するのに理想的な技術パートナーです。」
Institute of Microelectronics(IME)について
IMEは、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)の科学工学研究会議(SERC)に属する研究機関です。産学間の研究開発の連携を強化するため、IMEは企業が市場に新たな技術を投入するための戦略的競争力、革新的技術、知的財産の育成・開発を通じて、シンガポールの半導体産業に新たな価値を創出することを目的としています。IMEが注力する分野は半導体の設計に加えて、次世代パッケージ、生体電子工学、医療機器、MEMS、超小型電子部品、光通信です。
Agency for Science, Technology and Research (A*STAR)について
A*STARは、革新的な知識基盤型国家を目指すシンガポールにおいて、世界レベルの科学研究と人材育成を行う科学技術研究庁です。A*STARは、14の生物医学、自然科学、工学技術の研究機関に加え、シンガポールのバイオポリスとフュージョノポリスにある7つの組織の指導と支援を行っています。また、A*STARは専門知識の提供、人材の派遣や業界パートナーへの経済的支援を通じてシンガポールの重要な経済団体を支えています。この他にも大学、病院、研究施設、国内外のパートナーへの支援も行っています。
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