中空多回転アブソリュートエンコーダ「MAR-MC42A」の発売について
大きな内径とコンパクトな光学設計を実現した中空アブソリュートエンコーダ
2009年11月19日PRESS RELEASE/報道資料
株式会社ニコン（社長：苅谷道郎、東京都千代田区）は、反射型光学技術を採用して小型化を実現した、中空ACサーボモータ向け中空アブソリュートエンコーダ「MAR-MC42A」を 2009年11月20日から発売します。高分解能、高精度が必要で、なおかつスペースの効率化を求められる産業用多関節ロボット、サービスロボットなどに最適です。17ビット高分解能による高精度の制御を可能とし、内径はφ15mmとφ24mmの2種類を揃えております。なお本製品は、「2009国際ロボット展」（日時：2009年11月25日～28日、場所：東京ビッグサイト）に出展予定です。
写真左： M系列スケール
写真右： 本体外観
発売概要
| 商品名 | 中空多回転アブソリュートエンコーダ「MAR-MC42A」 |
|---|---|
| 価格 | オープン価格 |
| 発売予定日 | 2009年11月20日 |
発売のねらい
エンコーダは、軸の回転角度や回転数をデジタル量として検出するために用いる計測器で、モータの位置・速度を検出して制御部に情報を伝達するセンサーとしても普及しています。アブソリュート（絶対位置検出）タイプのエンコーダは、電源ON時に原点復帰（リセット）動作をしなくてもエンコーダの絶対位置を認識でき、作業の効率化を図ることができるロータリーエンコーダで、自動車製造ラインの産業用ロボットや工作機械など、各種産業機械の分野で、幅広く利用されています。
今回発売する「MAR-MC42A」は、モータの一回転中の位置情報を131,072分割することで17ビットの一回転内絶対位置情報を出力し、モータの2回転以上の回転数は65,536回転（16ビット）まで出力するモジュラー型の多回転アブソリュートエンコーダです。反射光学技術を採用して小型化を実現するとともに、内径φ15mmとφ24mm2種類をラインナップに揃えた中空タイプの本エンコーダは、お客様の中空モータ径のサイズに合わせた選定を可能にします。ケーブルを通すなど内径スペースを活かした設計自由度拡大および高分解能という要求に応えた製品となります。また制御器への位置データ伝送方法は、コントローラーとエンコーダで互いに通信が可能な双方向フルシリアル通信「ニコンAフォーマット」を搭載して、従来機種との互換性を持っています。
主な特長
1. 小型化・薄型化の実現
外形寸法を従来機種から約２０％縮小しており（当社比）、反射光学式を採用して約１／２の高さを実現（当社比）しております。これにより更なる小型・薄型化を達成しました。
2. 2種類の中空径を用意
内径φ15mm、φ24mmを用意しておりますのでお客様のご用途により選択肢が広がります。ニコン独自のM系列を応用したアブソリュートパターン技術と優れた光学設計はそのまま踏襲しております。
3. 一回転17ビットの高分解能を実現
一回転内分解能が最大17ビット（2の17乗：131,072分割/回転）もの高分解能を実現しました。精密な位置決めが可能となり、さらに速度制御の安定性向上にも大きく貢献します。
4. 双方向フルシリアル通信「ニコンAフォーマット」を装備
信号線4本の省配線が可能で、コントローラーとエンコーダで互いに通信が可能な双方向フルシリアル通信「ニコンAフォーマット」を装備。通信フォーマットを従来機種と共通化することにより、お客様のモータ選定の幅が広がります。
5. バス接続に対応（オプション）
複数のエンコーダを同一配線上に接続ができる「バス接続（最大8台）」にも対応可能で、配線スペースの効率化が図れます。
主な仕様
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| 計数方向 | 入力回転軸側から見てCCW方向回転時に計数値は増加する。 | |
|---|---|---|
| 分解能 | 1回転部分 | 217（131072P/R） |
| 多回転部分 | 216（65536P/R）回転 | |
| 応答回転速度 | 主電源ON時 | 6000min－1 |
| バッテリバックアップ時 | 6000min－1 | |
| 電源 | 主電源ON時 | DC 5V |
| バッテリバックアップ時 | DC 3.6V | |
| 消費電流（通常動作時） | 147mA（TYP） | |
| 消費電流（外部バッテリアップ時） | 30μA（TYP） | |
| 動作温度範囲 | －20℃～＋85℃ | |
| 保管温度範囲 | －20℃～＋85℃ | |
| 寸法 | 外形φ55mm | |
| 高さ21.8mm（TYP） | ||
| 円板内径φ15mm、φ24mm | ||
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| 軸慣性モーメント（計算値） | φ15軸用円板部 | 79.4×10－7kg・m2 |
|---|---|---|
| φ24軸用円板部 | 80.0×10－7kg・m2 | |
| 許容回転角加速度 | 1.0×105rad/sec2 | |
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| 伝送規格 | EIA規格RS-485準拠 |
|---|---|
| 伝送方式 | NRZ符号半2重シリアル通信 |
| ボーレート | 2.5Mbps（オプションで4Mbps） |
| 信号線数 | 4本 |
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