ダブルパターニング対応、ニコンArF液浸スキャナーの開発について

32ナノメートル世代以降のリソグラフィ技術へ向けて

2008年2月20日PRESS RELEASE/報道資料

株式会社ニコン(社長 苅谷道郎)は、現行のNSR-S610Cのプラットフォームを利用した、ダブルパターニング*対応の液浸スキャナーを2008年第4四半期にお客様へ提供します。ニコンの液浸技術「ローカルフィルノズル」と「タンデムステージ」で実績のあるArF液浸スキャナーNSR-S610Cをさらに進化させ、ダブルパターニングに要求される厳しい重ね合わせ精度に対応します。ニコンでは既に実績のあるプラットフォームを活用することで、お客様にリスクの少ないソリューションをご提供致します。

  • ダブルパターニングとは、1つの回路パターンを、現行の液浸露光機で転写できる2つの密集度の低いパターンに分割し露光する技術で、この2つのパターンを組み合わせて、最終的に密集度を高めることが可能となります。

超LSIの高集積化が進み、今日では40~45ナノメートル世代の量産対応技術としてすでに液浸技術が確立されていますが、32ナノメートル世代以降の量産対応に要求される技術として、ダブルパターニングが主要技術として注目されています。
ダブルパターニングを開発する上で、もっとも重要な課題が、重ね合わせ精度の向上です。最終的な重ね合わせ精度は、2回の露光の重ね合わせ精度を足し合わせたものとなるため、各露光に要求される重ね合わせ精度は従来の装置よりも大幅に厳しくなり、現在、要求されている重ね合わせ精度は約3~4ナノメートルとなります。32ナノメートル世代の量産開始は、2011年~2013年と想定され、この時期に合わせ、2008年後半から2009年初頭にかけてダブルパターニングの装置開発が望まれています。ニコンでは、実績のあるプラットフォームを活用することで、お客様にリスクの少ないソリューションをご提供いたします。

こちらに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。販売が既に終了している製品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

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