2006年中期経営計画説明会・主な質疑応答
2006年3月30日に開催された中期経営計画説明会での主な質疑応答を掲載しています。
業績関連等
Q. 09年3月期の連結目標数値について
A. 売上高9000億円、営業利益900億円が目標ですが、優先順位を敢えてつければ利益重視です。営業利益率10%は通過点であり、更なる向上を目指しています。
Q. 09年3月期の連結当期利益について
A. 特別利益、特別損失とも現時点で見込んでいるものはなく、09年3月期の当期利益は500億円程度を見込んでいます。
Q. 研究開発投資の配分について
A. 具体的な数字は開示していません。今までは、精機カンパニー中心に研究開発費を配分してきましたが、今後は相対的に映像カンパニー向けの比率が高まると見ています。なお、要素技術の開発にも積極的に取り組んでいきます。
Q. 株主への利益の還元について
A. 株主の皆さんへの利益還元については、株主重視の考えを堅持します。従来の方針通り安定的に配当を行うことを基本にしますが、今後は業績との連動性を高めることも充分考慮していきます。配当を引き上げる他にも、得た利益を設備投資や研究開発に振り向けることで成長を実現したり、有利子負債の削減により財務体質を強化することで株主価値の増大を図るなど、様々なやり方があると認識しています。これらを全体のバランスの中で考えながら還元の方法を検討していきたいと考えています。
精機事業
Q. ArF液浸の競争について
A. 世界で初めてNAが1を超えた「NSR-S609B」を今年1月に出荷しました。この装置を使って量産されたICチップが世の中に出てくることで、当社の液浸露光技術の優位性が証明されると確信しています。
Q. ロードマップにあるArF液浸のAlternative(代替案)について
A. いくつかの案を検討していますが、現時点では公表できません。いずれにしても光を使った露光機です。
Q. ニコンのLCD用露光装置について
A. 当社のLCD用露光装置には、液晶ガラス基板の大型化に対応しやすいマルチレンズ投影露光方式を採用しています。ガラス基板が大型化すればするほど優位性を発揮します。
映像事業
Q. 「第2世代のデジタルカメラ」について
A. 第1世代のデジタルカメラがフィルムをイメージセンサーに置き換えたスタンドアローン的なものだとすれば、第2世代のそれは大幅な技術革新によりデジタル特性、システム性を大きくステップアップさせたものになると考えています。
Q. デジタル一眼レフ市場での家電メーカーとの競争について
A. ニコンの一眼レフカメラは高品質、高信頼性の定評を頂いています。これはカメラメーカーとしてフィルム時代から約50年にわたって蓄積した光学技術、カメラ技術、光センシング技術や、様々なノウハウによって支えられているものです。これらの技術は当社の強みであり、一朝一夕に培うことはできません。こうした技術を積極的に活かすことにより、ニコンはデジタル一眼レフのリーディングカンパニーとしての地位を堅持してまいります。
インストルメンツ事業
Q. 収益性向上について
A. 製品開発期間を30%短縮することで製造原価の低減、開発費の削減を図るほか、物流の見直しなどさらなる効率化も積極的に行い収益性を向上させる計画です。
Q. 生物顕微鏡事業の今後について
A. 生物顕微鏡事業は、従来の顕微鏡単体中心の事業から、システムソリューションを提供する高付加価値型商品を増大していきます。生物顕微鏡で培った技術を基に、今後も成長が期待できるバイオ産業分野に進出していきます。