2014年3月期 決算説明会・主な質疑応答
決算説明会での主な質疑応答を掲載しています。
精機事業
Q. 2014年3月期実績について
A. 2014年2月の予想と比較すると、FPD露光装置が1台前倒しになった一方で、ArF液浸スキャナー4台の売上計上が2015年3月期にずれ込んだ結果、売上高は96億円の未達となりました。一方、営業利益は、コストダウンの進展、サービス収益の改善、経費削減などにより、10億円上振れました。
Q. 2015年3月期の見通しについて
A. FPD露光装置では、中小型高精細パネル向けの設備投資が一巡して、市場規模が前年比25%程度縮小するため、当社の販売台数も5~6世代用は対前年31台の大幅な減少となりますが、大型テレビ用の7世代以上用は13台増加する見通しです。
半導体露光装置では、市場が前年比10%程度拡大し、当社ArF液浸スキャナーの販売台数も大幅に増える予定です。コスト削減を徹底する一方、最新の「NSR-S630D」の評価も進め、新規顧客開拓とあわせて、収益力を大幅に改善します。
映像事業
Q. D600に関する引当金計上について
A. 先般、報道のありました当社のデジタル一眼レフカメラ「D600」の問題により、2014年3月期に修理・交換費用として18億円の引当金を計上しました。当社では本件を重く受け止めており、ご愛用のお客様には引き続ききめ細かくサービス対応をし、ニコンブランドの信頼回復に万全を尽くしていきます。
Q. 在庫状況について
A. 足元の当社在庫の水準に懸念はありません。市中在庫は、市況の落ち込みから足元ではやや重い状況ですが、2013年12月末と比較すると適正水準に向かっています。
インストルメンツ事業
Q. 2015年3月期の黒字化について
A. 2015年3月期は売上の拡大により、利益の黒字転換が見込まれます。過去数年、バイオサイエンス分野、産業機器分野とも厳しい時期が続き、加えて為替状況もマイナスに影響していました。
バイオサイエンス分野ではアジア・中国市場の深耕をさらに進め、産業機器分野では2014年3月期後半より市況が好転し、非接触三次元測定機やⅩ線検査装置の売上を引き続き伸ばしていくことで、今期は利益計画にも目途が立ってきました。
全体
Q. コスト削減について
A. 2013年8月から2014年3月末まで設置した「経営対策委員会」の成果につきましては、映像事業では、調達コストダウンおよび広告宣伝費や物流費などの経費削減を実施、加えて会社全体として研究開発費の効率化を図るなどして、総額で目標の200億円を上回るコスト削減を達成しました。
今期は、コストダウンも設計段階にまで踏み込み、経費削減においても12ヶ月間フルに効果が期待できるため、総額で100億円以上の削減額が見込めます。
Q. 健康・医療分野での新規事業育成について
A. 2014年2月に、日本電子株式会社との資本業務提携を実施しました。また5月には、検査・分析関連事業を展開する、三菱ケミカルホールディングス傘下の株式会社LSIメディエンスと、健康・医療事業における協業基本契約の締結を発表しました。
健康・医療分野の事業開拓については着々と具体化が進んでおり、今後も業務提携やM&Aの具体化を図りつつ、積極的に取り組んでいきます。
Q. 減価償却方法の変更について
A. ニコングループでは、2015年3月期より、有形固定資産の減価償却方法を定額法に統一します。最近の有形固定資産の使用状況、生産体制のグローバル化、および設計のプラットフォーム化の推進等を勘案した結果、定額法による償却が適切だと判断しました。
なお、この変更により2015年3月期の減価償却費は40億円減少する見込です。