2012年3月期第2四半期 決算説明会・主な質疑応答
決算説明会での主な質疑応答を掲載しています。
全社関連
Q. 特別損失、保険適用について
A. タイ洪水被害による特別損失については、現在浸水している状況が続いており、被害額が詳細に見積もることができないため今回の見通しには含めていません。水が引き次第精査していきます。また、加入している保険の支払適用もあることから、実際の影響はそれほど大きくならないと考えています。
精機事業
Q. 半導体・液晶露光装置市場について
A. 2011年の市場規模については、半導体・液晶露光装置ともに予測を据え置きますが、半導体のArF液浸スキャナーの市場は若干減少する可能性があると見ています。2012年については、半導体露光装置市場は設備投資の抑制によって、ArF液浸スキャナーは今年の110台から場合によっては70台位になる可能性がありますが、市況の回復時に備えて着実に製品競争力を高めることに努めます。液晶露光装置市場は好調であったスマートフォン向け需要も一段落し、来年の市場規模は今年より4割程度減少するのではないかと見ています。
Q. 精機事業の収益について
A. 高精細中小型パネル用途向けを主とした液晶露光装置の大幅な販売増加に加え、半導体露光装置も販売台数が増加し、ArF液浸装置の製品ミックスが競争力の高い「NSR-S620D」にシフトしました。この結果、上期は前上期比55%の増収、営業利益では半導体露光装置の生産リードタイム短縮によるコスト削減や販管費の節減などにより黒字転換し、過去最高に並ぶレベルとなりました。年間の販売台数は、メモリーメーカー及びファウンドリが投資を繰り延べしたことにより、液浸露光装置が4台減少するものの、液浸以外の半導体露光装置と液晶露光装置は増加する見込みです。これらを踏まえ、通期売上高2,650億円は据え置き、営業利益は上期の上ぶれ分を上積みし、370億円に上方修正することとしました。
Q. 株式会社ジャパンディスプレイの液晶露光装置事業への影響について
A. 最終的にどのような形での連合となるのかなど、まだ不確定な部分が多く、当社の液晶露光装置事業に与える影響については精査中です。いずれにしても、できる限り多くの受注を取りに行くスタンスは変わりません。すでに受注している製品については、3社が統合されても特段の影響はないと考えます。
映像事業
Q. デジタルカメラの市場について
A. 上期の一眼レフカメラ市場は震災の影響を受けた日本を除く各地で前年同期比プラスとなり、コンパクトカメラ市場は全地域で前年同期比マイナスとなりました。こうした中、当社はコンパクトカメラにおいて欧州とアジアで販売数量を増加し、全体としてのシェアを拡大することができました。年間の市場規模については、タイ洪水被害による供給数量低下もあることから一眼レフカメラ、交換レンズをそれぞれ1,500万台、2,500万本に下方修正し、コンパクトカメラを1億台に据置いています。また、平均価格の動向については、現地通貨ベースでは下げ止まりの傾向が出ています。
Q. タイ洪水の影響、対策について
A. デジタル一眼レフカメラと交換レンズの生産拠点であるニコンタイランド社が洪水被害を受け、10月6日より操業停止が続いています。早期に生産を回復しメーカーとしての供給責任を果たすべく、生産設備の新規調達や部品の調達切り替え・内製の推進をすでに開始しています。今後は、2011年12月よりニコングループ国内外拠点及びタイ国内の協力工場での代替生産を開始、2012年1月よりニコンタイランド社の操業を再開し順次生産数を増加、2012年3月末までに通常生産量に戻す計画です。
Q. Nikon 1について
A. 10月20日に販売開始後、各地域ともに好調な立ち上がりを示し、現時点では供給が追いついていない状況です。製品組立は中国の工場で行っており、タイ洪水の影響はほとんど受けないため、一眼レフカメラの生産不能による販売台数減少を補うためにも生産確保・販売拡大に一層注力していきます。
Q. 映像事業の収益について
A. 東日本大震災からの早期復旧を果たした第1四半期に続き、第2四半期も一眼レフカメラ、交換レンズ、コンパクトカメラともに好調な販売が継続しました。この結果、すべての製品グループで過去最高の販売台数を達成、上期は増収、営業利益は過去最高益となりました。年間販売台数はタイ洪水被害の影響による一眼レフカメラ、交換レンズの供給制約があり落ち込みますが、代替生産及び新製品で好調な滑り出しを見せている「Nikon 1」とコンパクトカメラによる可能な限りの挽回も含めて、一眼レフカメラと交換レンズを下方修正、コンパクトカメラを上方修正しました。通期の売上高・営業利益は、これらタイ洪水被害の影響と対ドル・対ユーロ円レートをそれぞれ5円円高に見直したことにより、売上高を650億円、営業利益を230億円下方修正しました。