2011年3月期第2四半期 決算説明会・主な質疑応答
決算説明会での主な質疑応答を掲載しています。
精機事業
Q. 液浸露光装置「NSR-S620D」について
A. 9月にスループット180WPH以上、重ね合わせ精度2.5nm以下を達成し、現在、複数のお客様のプロセスに合わせた最適化を行っています。目標スペックを達成し、安定稼動を実証していくことにより、さらに受注を確定させていきます。来期、液浸露光装置全体で30台後半の販売台数の見込みは据置いています。
Q. 液晶露光装置市場について
A. 来期の台数ベースの市場は今期(110台程度を予想)より減ると見ていますが、スマートフォンなどの高精細液晶及び有機ELパネル用に中小型装置の需要は増えており、当社の販売台数は増える見込みです。また、この需要増に対応して、宮城ニコンプレシジョンで新棟の建設に着手しました。
Q. 1x nm世代の装置開発について
A. 当面22nmプロセスまでは、EUVL装置に必要なマスク・光源・レジスト材料などの課題解決に要する時間を考慮すれば、液浸ダブルパターニングが最適と考えています。16nm世代以降のニーズは2016年頃から本格化すると見ており、EUVLと液浸ダブルターニングの拡張、現状ではどちらにも技術適用の可能性があります。なお、EUVLの要素開発としては、1x nm世代をカバーできる高NAの光学系開発を進めています。
映像事業
Q. デジタルカメラの市場について
A. 上期の一眼レフカメラ市場は各地とも前年同期比プラスとなり、特にアジアは中国を中心に大きく伸びました。コンパクトカメラ市場は米国を除く全地域で前年同期比プラスとなる中、当社は引き続き全体でのシェアを伸ばすことができました。年間の市場規模については、一眼レフカメラ、交換レンズ、コンパクトカメラを、それぞれ1,300万台、2,200万本、11,200万台に上方修正しました。また、平均価格の動向については、競争が激しい日本市場を除いては、実際の価格下落はそれほど大きくありませんでした。
Q. 映像事業の収益について
A. 第一四半期に引き続き、一眼レフカメラ、交換レンズ、コンパクトカメラとも前年同期比で販売台数増を達成しましたが、一眼レフカメラは生産手配において若干の遅れが生じたことなどもあり見込をわずかながら下回りました。収益は円高の影響もあり、微増収ながらも減益となりました。年間販売台数見通しは一眼レフカメラを据え置き、交換レンズとコンパクトカメラを上方修正しましたが、主に対ドル円レートを10円円高に見直したことにより、通期の売上高を150億円、営業利益を20億円下方修正しました。
その他
Q. 通期見通しについて
A. 下期の米ドルレートの前提を10円円高に変更し、80円としました。この為替条件変更は売上高に250億円、営業利益に60億円のマイナスの影響を与えます。一層のコストダウン努力をしていきますが、下期の景況には不透明感が拭えないこともあり、通期の売上高は200億円下方修正して8,700億円、営業利益は40億円下方修正して480億円の見通しとしました。
Q. 営業利益に対するドル/ユーロ為替変動の影響
A. 下期6ヶ月間の影響は、1円あたりUSドルが約6億円、ユーロが約5億円になります。従来ユーロ変動の影響のほうが大きかったのですが、精機事業でUSドル建ての売上割合が多くなってきていることで全社でのUSドル変動の影響が大きくなり、精機事業自体もこれまでより為替変動の影響を受けやすくなっています。