2009年3月期第2四半期 決算説明会・主な質疑応答
第2四半期決算説明会での主な質疑応答を掲載しています。
精機事業
Q. 半導体露光装置市場について
A. 半導体設備投資は夏以降に一段と落ち込みが進み、今年の露光装置市場規模は従来予想の400台程度から減少し、300台程度になると予想されます。これは前年比では、ほぼ半減近くの縮小となります。これに応じて、当社の販売台数計画も下方修正いたしました。今後の市場回復については非常に不透明ではありますが、来上半期は引き続き低迷するものの、後半から年明けにかけては回復してくる可能性があると考えています。
Q. 生産能力増強のための新棟建設について
A. 市場環境は厳しいですが、中長期的な成長に必要な投資は着実に実施していきます。新棟建設は計画通り進め、2010年初頭には完成し、稼動を予定しています。2010年には液浸露光装置の市場規模も回復に向い100台以上になると見ており、そこでマジョリティとなることを目指します。
Q. ダブルパターニングについて
A. ダブルパターニング対応の露光装置は、2009年下期に市場投入する予定です。これまでNSR-S609B及びNSR-S610Cで培ったニコンの液浸技術「ローカルフィルノズル」と「タンデムステージ」をさらに進化させ、スループット、重ね合わせ精度を大幅に向上させることにより、お客様に効率的なソリューションを提供いたします。
Q. 液晶露光装置市場について
A. 液晶パネル向けの設備投資は前年の落ち込みから回復基調にありましたが、9月以降見直しが始まりました。これに応じて、当社も本年の市場規模予想を従来の110台から100台へと変更するとともに、販売台数計画を5台引き下げ65台としました。来年の設備投資動向は現時点では不透明ですが、装置の大型化が進むほど当社のマルチレンズ方式の強みが発揮されるため、今後も高いシェアを堅持していけると考えています。
映像事業
Q. デジタルカメラ販売について
A. 上期は景気減速の影響を心配しましたが、すべての製品群で前年を上回る順調な実績であり、特に米国と中国を中心としたアジアでの販売が好調でした。下期は10月までの販売は順調に推移していますが、今後は景気減退による消費低迷の影響は受けざるを得ないと認識しており、クリスマス商戦の様子を注意深く見ていきます。
Q. 映像事業の収益性について
A. 収益重視の方針を継続しています。デジタル一眼レフカメラの出荷単価は業界平均値が前年上期比でマイナスであったのに対して、当社はプラスという実績でした。コンパクトカメラは付加価値の高いほうにシフトするカテゴリー戦略を進めた結果、上期の出荷単価は業界平均よりも価格下落幅を小さくすることができました。今後は、円高及び競争激化による販売価格低下の収益への影響が一段と厳しくなると想定されますが、商品のプレミアム化を継続して進めるとともに、生産性の向上、海外での現地調達比率を上げるなど一層のコストダウンを強化することで対応します。
その他
Q. 厳しい経営環境における全社的な対策について
A. 下期から来年いっぱい厳しい状況が続くと認識しています。収益を改善するために次のような対策を実行し、市況が回復する時期をタイミングよく捉えていきたいと考えています。
- 1.魅力ある製品を出して競争力を強化する
- 2.経費削減を徹底すると同時に、投資は全体最適の観点から厳選して実施する
- 3.仕掛品を抑制するなどキャッシュフロー重視の経営を徹底する
- 4.開発プロセス改革、工期短縮、調達革新など、ものづくりを強化し原価低減を図るとともに新興地域でのシェアを高める