2008年3月期 中間決算説明会・主な質疑応答
説明会当日の質疑応答内容をはじめ、決算発表後に多数いただいた質問に対しての回答を掲載しています。
精機事業
Q. 半導体露光装置の販売台数について
A. 今年の販売台数予想を下方修正した理由は、i線露光装置では収益を重視し無理な価格競争を避ける方針であること、KrF露光装置はロジック系の設備投資削減の影響を考慮したためです。また来年の市場規模は台数ベースでは今年より若干減少するものの、液浸を含むArF露光装置へのシフトは続くと予測しています。その中で当社の販売台数は今期を上回り、液浸を含むArF露光装置の比率が今期と同様、半分以上になると考えています。
Q. 液浸露光装置について
A. 今年2月に出荷開始した「NSR-S610C」は実用段階を迎え、43ナノNANDフラッシュメモリの生産装置として採用されました。懸案であったスループット向上には想定より時間がかかりましたが、原因究明が完了して改善に取り掛かっており今年中に2,000枚/日の達成を目指しています。今後、液浸露光装置による生産がNANDフラッシュメモリからDRAM、ロジックに広がっていくにしたがって、液浸起因のディフェクト(欠陥)に対する許容度が厳しくなるため、原理的にディフェクトが発生しない当社装置の優位性を活かせる環境になっていくと考えます。
Q. ダブルパターニングについて
A. 研究開発プロセスで各社が使い始める時期を2008年中と想定しており、その時期にはダブルパターニング対応の露光装置を投入したいと考えています。ダブルパターニングの方法には幾つか候補がありますが、重ね合わせ精度を大幅に向上させることがポイントであり、この開発は方法を問わず必要となります。
Q. 液晶露光装置市場について
A. 液晶パネル向けの投資は今年が踊り場だと認識しています。ここのところ台湾・韓国を中心に引き合いが戻りつつあり、来年は回復が期待できます。また、パネルの大型化は進んでいくと考えており、9世代・10世代の装置の開発を着実に進めていきます。
映像事業
Q. デジタルカメラ市場について
A. 上期はデジタル一眼レフカメラで首位となった日本をはじめ、どの地域も押しなべて順調でした。米国では10月の販売が計画を超えており、サブプライム問題の影響による消費の冷え込みは今のところ見られませんが、クリスマス商戦の様子を注意深く見ていきます。来期以降については、デジタル一眼レフカメラ市場への競合他社の本格的な参入で活性度が上がり、さらに成長すると考えています。
Q. 映像事業の収益性について
A. デジタル一眼レフカメラと交換レンズが好調であることに為替による押し上げも加わり、今期の営業利益率は13.5%と前期の10.2%よりも向上する見通しです。現在、ものづくり改革プロジェクトを進めており、競合会社に迫る利益率を目指してコスト競争力の一層の改善に取り組んでいます。
Q. 新製品(D3、D300)について
A. 発表後、市場からきわめて高い評価を受け、多くのご注文をいただいています。このため、両機種とも増産に向けた体制準備を行っています。
その他
Q. 中期経営計画目標と通期業績予想について
A. 通期業績予想の前提レートは5月に発表した中期経営計画の前提レートより円安となっていますので、引きなおして比べると、今回の予想ではまだまだ中期経営計画の目標には届かないことになります。したがって、目標の前倒し達成になるとの認識はしていません。