2005年3月期 中間決算説明会・主な質疑応答
説明会当日の質疑応答内容をはじめ、決算発表後に多数いただいた質問に対しての回答を掲載しています。
業績関連
Q. 為替の影響について
A. 当中間期では連結決算ベースの為替は期初予想との比較において、ドル・ユーロともプラスに作用し、売上高で約32億円、営業利益で約15億円のプラスの影響がありました。下期の想定為替レートは、ドル107円、ユーロ128円で上期から変更はありません。
Q. 有利子負債について
A. 前期末比では32億円増の2237億円となりました。債権の流動化を進めるなど、今期末には2100億円に圧縮する予定です。
精機事業
Q. 今期の精機カンパニーの売上と営業利益について
A. 通期売上高は半導体用ステッパーの販売台数見直しにより期初予想を下回りますが、工期短縮やコスト削減等による収益性の改善により、営業利益は90億円の予定をクリアできる見込みです。
Q. 半導体用ステッパー市場規模とニコンのシェアについて
A. ステッパーの04年暦年の市場規模は全世界で550台程度(中古機含まず)になると予想しています。また05年については、500台程度と見込んでいます。
半導体メーカーの投資姿勢には若干慎重な面は出てきているものの、顧客によって差があります。当社については来期も比較的堅調な販売を見込んでいます。
なお、今年1~9月までの当社シェアは台数ベース37%で03年に続き首位をキープしています。
Q. 半導体用ステッパーについて
A. 最先端モデルでの技術的アドバンテージを確実なものとするための開発に注力しています。
超高N.A(0.92)レンズを搭載し、65ナノメートル以下の最先端デバイスの量産に対応する、レンズスキャン型ArFエキシマステッパーNSR- S308Fを年内には出荷の予定です。また、ArFモデルを延命させる液浸技術についても、評価用装置は稼動を開始しており、05年後半にはNA1.0以上のモデルを市場投入の予定です。
Q. 液晶用ステッパーについて
A. 先行する第6世代機が牽引し、今期は過去最高の販売を達成できる見込みです。
05年以降の7&7.5世代機の市場拡大に向け、現在最大2200×2400mmクラスの基板に対応するモデルも開発中で05年秋には出荷開始の予定です。
なお、10月には次世代液晶用ステッパーの開発拠点として横浜製作所横須賀分室も開設しています。
映像事業
Q. 映像カンパニーの売上げと営業利益について
A. 売上高は収益性を勘案し2M/3M機を中心にコンパクトデジタルカメラの販売台数予想と見直したことにより、期初予想は下回りますが、過去最高を更新の予定です。営業利益も上期は見込みを若干下回ったものの、下期は依然好調な販売のデジタル一眼レフに加え、コンパクト機も高価格品へのシフトが進み収益は回復すると見ており、通期では期初予想どおり190億円の営業利益を見込んでいます。
Q. デジタルカメラの市場規模とニコンのシェアについて
A. 04年度はワールドワイドの販売台数は約6,200万台で、ニコンの台数ベースのシェアは11%程度の見込みです。05年度の市場規模は7,400万台と予想しています。
このうちデジタル一眼レフカメラ市場は03年度の120万台に対し、今年度は倍増以上の250万台程度、来年度は400万台程度と大幅な拡大を予想しています。デジタル一眼レフ市場では40%以上のトップシェア維持を目指します。
Q. デジタルカメラの事業戦略について
A. ワールドワイドで好調な販売を続けるデジタル一眼レフD70を中心に、拡大するデジタル一眼レフ市場でのシェア拡大を図るとともに、さらなる製品ラインアップの強化で市場でのトップポジションを強固なものにします。コンパクトデジタルカメラについては、ニコンの強みを生かした高付加価値品を投入しまた、海外生産の拡大などさらなるコストダウンの徹底で、収益性の向上を図ります。
コンパクトデジタルカメラの生産を開始した中国無錫市の工場では今期120万台の生産を予定しており、タイ工場でのレンズユニット内製率向上とあわせ価格競争力を高めていきます。
その他
Q. ASML社との訴訟について
A. 2001年以来係争中だったASML社との特許訴訟は9月に和解の基本合意に達しました。
和解に伴い当社がASMLならびにCarl Zeiss SMTより総額145百万米ドル(約160億円)を受領、あわせて両社と半導体露光装置に関する包括的なクロスライセンス契約を締結いたします。