2004年3月期 決算説明会・主な質疑応答
説明会当日の質疑応答内容をはじめ、決算発表後に多数いただいた質問に対しての回答を掲載しています。
業績関連
Q. 為替の影響について
A. 当期では連結決算ベースの為替は期初予想との比較において、ドルのマイナス作用とユーロのプラス作用の結果、売上高で約64億円のマイナスの影響がありました。営業利益への影響はほとんどありませんでした。
今期はドル107円、ユーロ128円を想定しています。
Q. 有利子負債について
A. 前期末比3億円減の2,205億円となりました。今期末には2,100億円まで圧縮する予定です。
精機事業
Q. 今期の精機カンパニーの営業利益について
A. 市場の回復とコスト削減等により、精機事業は三期ぶりに黒字転換します。4月から受注を始めた、高N.A.(0.92)ArF機「NSR-S308F」にも強い引き合いがあり、早期の利益貢献を期待しています。過去最高となる液晶露光ビジネスに加え、半導体露光ビジネスでも黒字を予想しており、1Qはまだ赤字が残りますが、通期では約90億円の営業利益を見込んでいます。
Q. ステッパー市場規模とニコンのシェアについて
A. ステッパーの04年暦年の市場規模は全世界で500台程度(中古機含まず)になると予想し、来年05年については、1~2割程度の増加になると見込んでいます。シリコンサイクルの影響は認識していますが、かつてのように一律に変動する状況とは違うと理解しています。シェアについては40%以上の安定したシェアを獲得できると見ています。なお、03年暦年の当社シェアは約46%、ArF機のシェアは5割以上で首位です。
Q. IC用ステッパーの工期と受注状況にについて
A. i線、KrF、ArFとも量産機では6ヶ月の工期を実現しています。受注台数は開示していませんが、状況としては年内までは見通せています。
映像事業
Q. 映像事業
A. コンパクトタイプのデジタルカメラでは価格競争の更なる激化を想定していますが、3月の発売以来好評で増産を決めたデジタル一眼レフカメラD70が下支えすることで、190億円の営業利益を予想しています。今期はコンパクトデジタルカメ ラ9機種を市場投入する予定です。営業利益はこれら新製品の初期費用が上期に多く発生すること等を織り込んだ数字です。
来期はデジタル一眼レフ及び交換レンズの伸長に加え、中国工場での生産によりコスト競争力を強化したコンパクトデジタルカメラの販売増により、大幅な利益の増加を見込んでいます。
Q. デジタルカメラの売上比率について
A. 当期では一眼レフタイプが14%、コンパクトタイプが59%となり合計では73%をデジタルカメラが占めました。今期は一眼レフタイプが23%、コンパクトタイプが53%となる予想です。
Q. デジタルカメラの市場規模とニコンのシェアについて
A. 03年度ではワールドワイドの販売台数は4860万台で、ニコンの台数ベースのシェアは11%(金額ベースでは13%)となりました。04年度は約 6240万台でニコンのシェアは13%(同14%)に達すると見ています。このうちレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラ市場は03年度の120万台に対し、今年度は240万台程度と倍増すると予想しています。40%以上でトップシェアを目指します。
Q. デジタルカメラの事業戦略について
A. 一眼レフタイプも含め製品ラインナップの拡充により市場シェアを拡大します。また、海外生産の拡大等による更なるコストダウンの徹底で、収益性の向上を図ります。
中国の無錫市に完成したデジタルカメラの主力工場で、既にコンパクトデジタルカメラの生産を開始しており、数年後には数百万台規模の生産を行う予定です。