シャボン玉をかんさつしよう
虹(にじ)が見える、シャボン玉
きらきら光るシャボン玉。
いろんな色に見えるけど、本当は、なに色なのかな?
シャボン玉は、色が変わる!
シャボン玉の色をよく見ていると、割れるタイミングがわかるよ。
最初は虹(にじ)色だけど、時間がたつと、別の色に変わって見えるんだ。
まずは、どうしてシャボン玉に色がつくのかを説明するね。
シャボン玉の色のひみつ
どうしてシャボン玉が虹(にじ)色に見えるのか、考えてみよう。
虹のでき方はもう知っているよね。
太陽の白い光にはいろいろな色の光がまざっていて、それが雨つぶで反射(はんしゃ)したり、屈折(くっせつ)したりすると、いろいろな色に分かれて虹(にじ)になるんだったね。
シャボン玉が虹色に見えるのもこれと同じなんだよ。太陽の光が、シャボン玉の膜(まく)で反射したり、屈折したりしているからなんだ。
でもね、シャボン玉の虹色は、空に見える本物の虹とは、でき方が少しちがっているんだ。
シャボン玉の膜は、厚さが1ミリメートルの1千分の1ぐらいで、とてもうすいんだけど、膜の外側だけじゃなくて、内側でも太陽の光をはね返しているんだよ。膜の外側ではね返った光と内側ではね返った光、2つの光がちょうど重なるときは強めあうけれど、重ならないときはおたがいに打ち消しあって、弱くなってしまうんだ。
これを「光の干渉(かんしょう)」というんだよ。
光には波の性質(せいしつ)があって、山と谷をつくりながら進んでいくんだ。この山と山の幅(はば)のことを「波長(はちょう)」とよぶんだけど、波長の長さによって見える色がちがってくるよ。
波長は、山と山が重なると強めあい、逆(ぎゃく)に山と谷が重なると打ち消しあってしまうんだ。
たとえば、青い波長の2つの光があって、山と山が重なると、強めあって青い光が見えるよ。でも、山と谷が重なると、打ち消しあって、青い光は見えなくなるんだ。
つまり、赤く見えるところは、赤い波長の光が強めあっているってことだね。
色が変わるわけ
シャボン玉は、場所によって見える色がちがうよね。それは、シャボン玉の膜(まく)の厚さ(あつさ)が、場所によってちがうからなんだ。
膜が厚いと、内側ではね返る光が進む距離(きょり)は長くなるよね。距離が変われば、光の重なり方も変わってきて、強めあう光の波長(はちょう)がちがってくる。だから、色が変わるんだ。
風がふくと、シャボン玉の色が動いて見えるけど、それも、風によって膜の厚さが変わっていくからなんだよ。
割れるときのシャボン玉の色
シャボン玉が割れる(われる)のは、膜(まく)の水分が蒸発(じょうはつ)して、かわくからなんだ。
膜の厚さが1ミリメートルの1万分の1ぐらいまでうすくなると、シャボン玉は形を保つ(たもつ)ことができなくなって、割れてしまうんだよ。
膜がうすくなると、膜の外側と内側とで、光の進む距離(きょり)の差が少なくなるよね。そうすると、光の色が分かれにくくなるから、虹(にじ)色ができなくなるんだ。
シャボン玉の膜の水分は、じぶんの重みで下にさがるから、シャボン玉の上の方の膜が一番うすくなるよ。だから、そこを見ていれば、シャボン玉が割れるタイミングがわかるんだ。
割れる前には、黄色っぽい色から透明(とうめい)になるから、よくかんさつしてみようね。
シャボン玉の色をかんさつしよう
大きなシャボン膜(まく)を作って、色がどう変わるか、かんさつしよう。
用意するもの
やってみよう
- まずは、紙コップの上のほうを切って、シャボン玉のワクをつくろう。
- 紙コップの上から5cmぐらいのところで切るといいよ。
- 茶わんに、水100ml、中性洗剤(ちゅうせいせんざい)10mlを入れ、ゆっくりまぜてシャボン液(えき)を用意しよう。
- あわが立たないように、静かにまぜてね。
- 水と中性洗剤の割合(わりあい)は、10対1ぐらいがちょうどいいよ。
- シャボン液が目や口に入らないよう気をつけよう。
- 皿にシャボン液(えき)を入れ、紙コップの切り口をひたそう。
- シャボン液は、少しあればだいじょうぶだよ。
- 紙コップをそっと持ち上げてから、さかさにして、シャボン玉をかんさつしよう。
- 太陽や電灯の光があたるところで、光を反射(はんしゃ)させてかんさつすると、色がきれいに見えるよ。
- シャボン玉のうしろが暗いほうが見やすいよ。
- シャボン玉の色がどう変わるか、かんさつしよう。
- 紙コップをななめにすると、見え方がちがってくるよ。
- 風がふくとシャボン玉のもようが動くことも、たしかめてね。
- 割(わ)れる前、シャボン玉の色はどうなるか、かんさつしよう。
- 上のほうが透明(とうめい)になると割(わ)れるから、色に注意して、かんさつしよう。